ＮＨＫ出身のジャーナリストで、テレビのニュース系バラエティー番組にひっぱりだこの池上彰氏（６０）が、取材や著書執筆の時間を確保するため、今年３月末でテレビのレギュラー番組を降板する。池上氏のわかりやすい解説を聞く機会が減るのは、視聴者やテレビ局にとって大きな損失だが、“ポスト池上”の座をめぐる戦いが過熱しそうだ。
「池上さんのように、記者としての取材経験があり、間口が広く、なおかつユーモラスで明るい感じの方はいない。現役のキャスターや、ＮＨＫの解説委員の方々を見ても、代わりが務まる方は思いつきませんね。まさに余人をもって代え難い存在です」
作家の麻生千晶氏はこう語る。とはいっても、まったくいないわけではないようだ。コラムニストのペリー荻野氏は、元読売テレビ解説委員長で、シンクタンクの大阪綜合研究所代表の辛坊治郎氏（５４）の名前を挙げる。
「アナウンサー出身で、しゃべりが上手く、ニコニコして明るいイメージ。池上さんと同じようなバックグラウンドを持っている」
ペリー氏がさらに有力視するのは、意外にもお笑いコンビ・ロンドンブーツ１号２号の田村淳（３７）だ。
歌手の安室奈美恵（３３）ら女性タレントと浮き名を流し、チャラいイメージがある一方で、難しいニュースについて、リスナーと一緒に勉強するラジオ番組「ロンドンブーツ１号２号 田村淳のＮｅｗｓ ＣＬＵＢ」（文化放送）でパーソナリティーを担当。番組内で政治家志望を公言している。
昨年１１月には、早稲田大の大隈講堂で、政治と恋愛をテーマに講座を開き、話題となった。
「よく勉強しているし、持論もはっきり言う。言葉の力で勝負するラジオで活躍できるのだから、テレビでも大丈夫。特に女性は、あまりかっこいい人だと、安心して質問できないけど、淳君なら聞きやすいのでは」（ペリー氏）
プロのキャスターたちもウカウカできないようだ。