2011年1月5日4時4分
中国のインターネット上の軍事関連サイトには昨年末から、中国軍が完成させた最新鋭の次世代ステルス戦闘機「殲20」の写真が出回っている
【北京=峯村健司】中国軍が、レーダーに探知されにくい最新鋭の次世代ステルス戦闘機「殲(せん)20」の試作機を完成させた。カナダの民間軍事シンクタンク代表で、中国系カナダ人の平可夫氏が工場関係者から確認、中国軍関係者も朝日新聞に認めた。軍関係者によると今月中にも試験飛行を始め、早ければ2017年にも実戦配備する計画だ。
中国軍は初の国産空母建造に乗り出すなど外洋進出に力を入れているが、空軍力でも急速に近代化を進めていることが裏付けられた。一方、日本では自衛隊が導入を目指した米軍の最新鋭ステルス戦闘機F22が生産中止になり、次の有力候補のF35も開発の遅れで導入のめどは立っていない。中国軍の動きは、東アジアの軍事バランスに影響を与える可能性がある。
平氏によると「殲20」は国産エンジンで、高い機動性がある。F22より大きく大型ミサイルを搭載可能。空中給油で米領グアムまで飛行できるという。一方でレーダーやステルスの性能、巡航速度がF22の水準になるにはさらに10〜15年かかるとみられる。
だが平氏は、中国軍が米のF16に匹敵する戦闘機をすでに約400機保有していると指摘。「すでに空軍力で自衛隊を上回り、米国を猛追している。太平洋地域で米軍が空軍力の優位を失うのも時間の問題」と話した。