西宮・夫婦刺殺事件　殺人容疑で堺の男を逮捕　

　昨年１１月、西宮市小松西町の建築士水田実さん（６２）と、妻輝子さん（６２）が事務所兼自宅で殺害された事件で、兵庫県警甲子園署捜査本部は１０日、殺人の疑いで、堺市堺区中之町西、飲食店店員、三宅則行容疑者（３５）を逮捕した。「（犯行時）水田さん夫婦の体を押さえた」と容疑を認めているという。

　捜査本部は、事件後に自宅マンションから飛び降り自殺したとみられる参考人の男（６１）＝大阪市西淀川区＝と三宅容疑者の犯行とみている。２人は飲食店の元同僚。参考人の男が犯行を主導し、三宅容疑者に「金をやる」と手伝うよう依頼したという。捜査本部は参考人の男を１１日にも、殺人容疑で容疑者死亡のまま書類送検する方針。

　捜査本部によると、三宅容疑者は参考人の男と共謀。昨年１１月８日午後８時〜９日午前６時４５分ごろまでの間、水田実さんの事務所兼自宅で、実さんと輝子さんの胸や首を刃物で刺して殺害した疑い。

　参考人の男と輝子さんは事件直前に携帯電話で連絡を取っていた。参考人の男の口座には２００７年以降、輝子さんから総額１千万円以上の送金があったといい、捜査本部は金銭トラブルがあった可能性もあるとみて調べていた。

　一方、捜査本部は現場に四つの湯飲みが散乱し、夫婦と異なる足跡が確認されたことから、関与した人物が複数いたとみて捜査。事件前後、三宅容疑者が参考人の男と携帯電話で連絡を取り合っていたことが分かり、１月１０日午前、任意同行を求め事情を聴いていた。

　捜査本部によると、昨年１１月１２日、水田さん夫妻が死亡しているのが見つかり、同１７日、参考人の男がマンションから飛び降り死亡。自宅から妻（６１）が遺体で発見され、兵庫、大阪両府県警は男が妻を殺害後、自殺したとみている。

(2011/01/11 00:39)