菅正念場選挙 全員当選当たり前の“お膝元”に異変

★西東京市議選19日告示

2010.12.17


菅直人首相【拡大】

 茨城県議選惨敗で痛手を負った菅直人首相(64)だが、クリスマス明けにはもう1つ重要な地方選が控えている。かつて首相の選挙区だった西東京市議選(19日告示、26日投開票)だ。前回は5人の候補者が全員当選、今回は定数28に現職5人、新人2人を擁立した。民主党の牙城とも言える選挙区だけに、全員当選が当たり前。仮に取りこぼすような事態となれば、「選挙に弱い首相」というレッテルが確立し、「小沢切り」の前に「菅降ろし」が大炎上しかねないのだ。

 現在、出馬を予定しているのは34人。内訳は、現職22人、元職1人、新人11人。政党別では民主党7人、自民党9人、公明党6人、共産党4人、みんなの党3人、生活者ネットワーク2人、社民党1人(推薦含む)だ。

 西東京市は旧田無市と旧保谷市が2001年に合併して誕生、菅首相が1980年に初当選した旧衆院東京7区に位置する。都心から電車で30分のベッドタウンで、無党派層の多い都市だ。

 同市を含む衆院東京19区選出の末松義規氏は、菅首相が小選挙区制移行時に後継指名した側近。現在、東京18区(武蔵野市など)選出の菅首相の影響力が極めて強く、今回の選挙でも、告示日に首相の妻・伸子さんが応援演説に入る予定だ。

 4年前の前回市議選では、民主党は現職3人、新人2人全員が当選。昨夏の衆院選でも、民主党は比例代表で約4万6000票を獲得し、自民党(約2万4000票)に圧勝した。2期目の坂口光治市長は民主党都連幹事長も務めた実力者。まさに菅民主党の城下町といったところだ。

 しかし、菅内閣の支持率低下で、盤石な地盤にも逆風が吹き始めた。ある民主党候補は「ビラの受け取りが悪く、逆風は感じる。楽な選挙でない」。別の同党候補関係者は「街頭で『菅は恥を知れ!』などといわれ、差し出したビラをたたき落とされた。国政と市政は関係ないはずなのに…」と肩を落とす。「民主党」と連呼を控える候補もいるという。

 最近の民主党は、現職全員が落選して「松戸ショック」と呼ばれた11月の千葉県松戸市議選や、候補者の4分の3が落選した茨城県議選など連敗続きだ。

 西東京市は民主党が大敗した今夏の参院選でも、比例代表の得票数で、民主党が自民党にダブルスコアをつけた土地。本来なら候補者が全員当選して当たり前なのだが…。

 

注目サイト