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今週の永田町
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2010年12月27日

心細い年の暮れ

政権党の体なさない民主

 菅首相は先送りが大好きだ。法案でも政策でも気に入らなければ躊躇なく先送りする。年末から新年にかけて膨大な数の先送り案件が溜まっている。その中でも最も重大なのは小沢元代表の国会招致と、内閣改造の持ち越しだ。

 小沢氏の「政治とカネ」はこの一年間永田町を振り回した。検察審査会から強制起訴の議決を受け、裁判沙汰になることだけは決まったが、国会招致は結論を出すに至らなかった。

 小沢氏を国会に呼んで本人から直接説明を受けるべしとは与野党の共通意見だ。しかし小沢氏は全くその意志がない。菅首相や岡田幹事長まで繰り出して説得に努めたが効果なしだ。物別れのまま越年を余儀なくされている。

 一党の党首の要請を党員が拒否するのは、政党政治ではあるまじき現象だ。それが罷り通るのは奇々怪々と言わなければならない。菅首相は党首としての鼎の軽重を問われ、小沢氏は反乱分子として追放されて然るべきだ。ところが二人とも平気の平左だ。さすがに党内は物情騒然としているが、それ以上には出ない。みんな頬かむりして年を越すことになりそうだ。

 民主党は政権政党でありながら、党の憲法とも言うべき綱領を持っていない。いや持てないのだ。右から左までの寄り合い所帯のため基本政策がまとまらない。百家争鳴てんでんばらばらだ。それで政権党とはおこがましい。

 党員ひとりのクビも切れない党首、党首に弓引いて恥じない党員、こんな政党が大きな顔をして政権をほしいままにしている。これに勝る矛盾はない。およそ政党を名乗るからには、党名、党首、党員が揃う必要がある。この三者をつなぐのが共通の理念と主張だ。今、民主党で揃っているのは党名だけで、あとはいい加減を極めている。

 今にして思えばダマされたのは国民だ。見かけだけのパフォーマンス、迎合オンリーのマニフェストにコロリとやられた。政権交代までは期待していたが、鳩山、菅二代の首相で正体が見えた。国民は慌てて修正を試みている。最近の世論調査では支持率が急落し、自民党に逆転されつつあるのがその証拠だ。

 内政の失敗はやり直しがきくが、外交はそうはいかない。国威、国益を損じ、国民を道づれにする。先送りでは解決できない。今年もあと一週間足らずだ。せめて内閣改造でもして有終の美を願うしかないが、今の民主党はその国民の望みに応えられそうもない。なんとも心細い限りの年の暮れだ。

(I)


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