(cache) コラム・社説 - AGARA紀伊民報

「２０１０年の終りに」

　今年もいろいろなことがありました。それももう《古暦すき間風きて裏返り　岩崎洋子》といった調子で、古い年から新しい年に向かって、時間は遠慮なく進んでいます。

　▼政界では、鳩山由紀夫氏から菅直人氏へと首相が交代しました。菅内閣の支持率は当初は上がったものの、後は下がりっぱなし。最大野党の自民党の人気もいまひとつです。日本はどうなるのでしょう。

　▼外交問題でも、日本に対する中国やロシアのこわもてぶりを見せつけられるばかり。日本外交の不手際につけ込まれているようで、ストレスはたまりっぱなしです。

　▼社会の出来事を見ても、目を覆うばかりの惨状です。実母や同居男性からの幼児への虐待事件は後を絶たず、亡くなってしまう事例もありました。いじめが原因で自殺する子もいました。なぜこんなにすさんだ日本になってしまったのでしょうか。

　▼しかし、暗いことばかりではありません。ノーベル化学賞の受賞者には２人の日本人がいます。日本の底力が見えた思いで、気がせいせいします。プロゴルフ、フィギュアスケートなど、スポーツ界の若者たちの活躍もありました。こんなニュースに接すると、心のしこりがとれるようです。

　▼若者ばかりでなく、指揮者の小澤征爾さんのように、70歳を超えて、ますます老年パワーを発揮する人も増えました。いつも前向きに生きているからでしょう。来年もよい年でありますように。　（香）

(2010年12月29日更新)

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