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【岡田浩明の永田町便り】「仮免首相」の逃げ癖、「病膏肓に入る」 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:尖閣諸島問題
「机の右の引き出しに入っているよ」
平成22年も暮れようとしている12月末の衆院第一議員会館。民主党の小沢一郎元代表に近い中堅議員は、引き出しの「辞表」を、そっとみせてくれた。
菅直人内閣で政務三役を務めている中堅議員は、こう付け加えた。「あとは日付を入れるだけだ」。もちろん、辞表は「政務三役の辞任」。「政治とカネ」の問題を抱える小沢氏に対し「政治的責任を果たすべきだ」として、衆院政治倫理審査会の出席を求め、従わなければ離党勧告も視野に入れる首相や岡田克也幹事長ら党執行部。辞表は「脱小沢」路線を崩さない菅政権への「抗議」なのだ。
昨年の民主党は国民そっちのけで、菅政権と小沢氏支持勢力との党内抗争に終始した。新年を迎えても「菅VS小沢」の仁義なき戦いに変化はみられないが、実際に辞表まで用意している状況を目の当たりにすると、党内の亀裂はもはや修復不能な域まで達していることがうかがえた。
そもそも、対立が鮮明になったのは菅首相と小沢元代表による一騎打ちとなった9月の党代表選。それまでも両氏の政治手法など路線の違いは指摘されていたが、そのたびに「挙党一致」という大義で取り繕ってきた。
だが、対立の根本は政治手法などの違いというよりも、単なる菅内閣の支持率が急落し、求心力が一気に失われていることにありそうだ。民主党関係者もこう指摘する。
「菅政権は政権運営の作法を知らず、何をやりたいかのメッセージが発信できていない。すると、国民は不安になり、内閣支持率が下がる。いったん下がると、党内が浮き足だって政権基盤が揺らぐ。そして党内抗争の激化…といった負のスパイラルから抜け出せずにいる」