「BNNプラス北海道365」は、毎週新たなテーマを設け、読者のみなさんが参加する「365アンケート」を実施しています。
菅内閣の支持率が急落の一途を辿っています。その原因のひとつが国益を損ねた米軍普天間飛行場移設問題や尖閣諸島問題であることは間違いありません。
尖閣諸島沖で発生した中国漁船の衝突事件をめぐる映像投稿問題で、海上保安庁は12月22日、投稿を認めていた神戸海上保安部の一色正春・海上保安官を停職12カ月の懲戒処分とするなど、関係者の懲戒、内規処分を発表しました。
警視庁も同日、一色保安官を国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで書類送検。海上保安庁は、一色保安官が提出していた辞表届を受理、一色保安官は同日付で依願退職しました。
365アンケートは、12月27日から1月2日までの1週間、「海上保安庁が保安官を停職12カ月、処分は妥当ですか?」をテーマに実施しました。
アンケートの期間中、817人の方に参加していただきました。設問と投票結果は以下のとおりです。
(1)あなたは一色保安官の懲戒処分を妥当と考えますか。次の選択肢から最も適当だと思うものを選んでください。
・妥当 51票
・厳しい 687票
・軽い 9票
・その他(自由記述) 67票
・無回答 3票
<「その他」を選択した方の主な自由記述>
「法治国家である以上懲戒処分の判断は間違っていないと思う、しかし個人的な感想としてはここで懲戒処分にしてしまうと二度とこういった内部告発はなくなってしまう。そういったジレンマを感じます。そもそも、誰の為に情報を『守秘』なのか。明らかに国民のための守秘ではないということが殆どの国民に知れ渡っているであろう状況での処分。不当なものであると感じる」
「社会的制裁という意味では妥当だと思うが、是非起訴猶予か不起訴にしてもらいたい。中国人船長が無罪放免で、ビデオを隠匿したどこぞの官房長官がのうのうと暮らしているのと比べてみて欲しい。処分することがおかしい」
「我々が妥当性を判断すべきではない」
「組織として、規定に反するものを処罰する事自体は問題ないが、異常な対応をした政治家や、当事者の船長が無罪放免な事には非常に違和感を感じる」
「機密情報にあたらないのだから、処分事由がなく懲戒処分そのものが無効と思う」
「公務員の守秘義務違反であるので処分はしょうがないでしょう」
(2)「厳しい」を選択した方は、その理由を次の中から選んでください。
・本来は国が公開すべき映像だった 497票
・投稿は国益にかなう行為 88票
・その他(自由記述) 102票
<「厳しい」を選択した方の主な自由記述>
「現政府の横槍がなければ至極当然に公開されていたであろう」
「内部公開情報に触れること自体は問題ないのに、見ただけで懲戒は異常」
「警察関係の流出では、殆ど処分の話は聞かない。海保職員には重い処分では納得がいかない」
「公務員という立場からすると、業務に関連して入手した情報を個人の判断で(組織の判断にそむいて)外部に漏らしたので、何らかの処分を受けることはやむをえない。しかし、被疑者の船長は釈放され国外に出ており、実質上公判は開かれない状況であり、また秘密性も低いので、3カ月程度の停職処分が妥当ではないか。また、本来は国が公開すべき映像でもあった点を酌量すると、停職1カ月ぐらいでも良いかもしれない」
「映像の機密扱いは完全に後付け。本来は後日海保(または政府)から公開されるべき内容。それを先行公開したことに対しての処分としては重過ぎる。依願退職の意思は尊重するべきだが、彼は国民が守るべき」
「違法性は低い」
「そもそも機密情報ではなく、単なる取り締まり活動の内容を記録したものなので、海上保安庁の裁量で公開できるもの。これらに対して国の許可が1つ1つ必要なら、警察24時などのドキュメンタリー番組は作れなくなってしまうだろう。守秘義務違反を当てはめること自体がおかしい」
「流出させた人ではなく、仙谷や菅に責任がある。ビデオは公開前提で撮られた証拠映像であるから。国民は知る権利がある」
「本来、事案発生時に世界に向けて公開すべきだったものを、民主党の稚拙な判断と施策が、ここまでひどい状態にしたのである」
「このビデオは他のケースと同様、海保の研修用に使われる予定で編集されたものだという。また、一部の国会議員も同様の内容のビデオを見ており、何人もの議員・閣僚がその内容について事前にコメントをしていた。その時点で機密性はすでにないと思うし、記録されている内容も、それが公開されたからといって日中関係が危機に陥るような性質ではないと思う。政府がこれを『国家機密』としたのは、中国人船長がなぜか無罪放免となってのちのこと。なぜ検察が放免したのか、政府の圧力があったのではないか、同じような事案が再発したらどうするのかなど、国民が事実を知りたがり、結果的に菅内閣の責任を問うことを避けるため、政府の都合で『国家機密』として証拠を葬りたかっただけではないのか。これは内部告発以外のなにものでもないと思う」
「彼の行為を違法ととるのであれば、その前にまず違法行為をした中国人船長を裁くべき」
「流失を招いたのは民主の責任。尖閣といい、いまだ解決してない普天間といいグチャグチャにするだけして、これでよく政権を担ってられるなと思う」
「本当に悪いのは公開すべきものを公開しなかった民主党。国家機密でもなんでもない」
「これは内部告発であり正義である。情報を隠匿しようとした仙谷の方が罪にあたる」
「内部告発者は保護されなければならない」
「処分自体はされるべきかもしれないが、厳しすぎる。ビデオの公開により中国の主張が捏造であることを暴けました。日本のためになっており、なんらかの救済があって欲しかったと思います」
「どのような事件であったかは衝突直後から既に国民全員が知っていたし、ごく少数の国会議員に公開されたときはその議員の証言を元に再現VTRまで作られテレビで放送されていた。もし、詳細を公開したくないのであれば、見た内容をぺらぺらしゃべった議員にも何らかの処分があるべきだし、さらにそれを元に再現VTRを作って放送した各テレビ局にも抗議して当然だ。あの再現VTRは実際の映像に準じるものではないのだろうか?再現VTRと実際の映像で違うのは中国船のディティール(例えば、民間の漁船ではありえないくらいのアンテナとか)くらいだと思うが」
「行政罰としての懲戒(停職)は減給が妥当である。また、守秘義務違反ではないので、書類送検は間違っている」
(3)「軽い」を選択した方は、その理由を次の中から選んでください。
・理由を問わず投稿は問題 4票
・過去には国家公務員の情報漏洩で免職のケースがある 3票
・その他(自由記述) 2票
<「軽い」を選択した方の自由記述>
「投稿については実に勇気のある行為だと思うが、国益のためとはいえ国家に背いた以上、相応の重い罰を持って彼に報いるべきである」
「我々国民が選んだ文民最高司令官の命令を、公僕である公務員ごときが反抗するのはあってはならない。懲戒免職にならず、退職金をもらうなどとありえない!!」
(4)尖閣諸島問題に対する政府の対応など、あなたの自由な意見をお書きください。計436件の意見が寄せられました。その一部を記載します。
「処分については妥当だと思うが、そもそも、国が事件発生後すぐに公開してれば、一色保安官は懲戒免職にならなかったので妥当と言えば妥当、違うといえば違う」
「優柔不断さを見透かされ、領土を守ることが出来ない政権であることを露呈した。この尖閣の対応からロシアも民主党政権の無能さを見抜き、北方領土帰属を確定しようと政権を挙げて策動するようになった。国内の親中勢力を叩いて断固と対決姿勢を示すべきであった」
「つい最近中国に衝突された韓国と完全に対照的ですね」
「日本の弱腰外交、国会議員≠日本人の代表という残念な結果を目の当たりにした絶望」
「政治が司法に介入することは避けるべきであると思う。仮に介入するならば、堂々と『外交的配慮で超法規的措置を持って釈放する』と明言すべきである。今回の政府あるいは首相、官房長官の態度は政治家として、あるいは人間として卑怯である。国民として恥ずかしい。また、仮に本当に検察の判断で船長を釈放したのであれば、検察の専横である。検察は法に基づいて判断するべき組織であり、政治判断をすることを許してはならない。従って、釈放が検察の判断であるならば、関係者を処罰すべきであり、その場合には停職程度では軽すぎるくらいだ」
「マスコミも民主党も左翼思想が強すぎる。反動で日本人が極右思想になることが怖い」
「国が判断すべき事案にもかかわらず、首相、官房長官は責任放棄し、あたかも地検の判断とした。これが政治主導なのかと思うと情けなくなります。民主党が与党になってからどのくらい国益が失われたのでしょうか」
「自衛隊には領海侵犯に対しての砲撃権利を与え、断固たる対応を出来るようにすべきである。侵略者は撃て」
「あれほど日本の政治家に絶望し、日本人であることを恥じたことはない。本当に日本の政治家は質が低すぎると思う。民主党という党はいますぐ日本のために政権を手放して欲しい」
「日本単独での対応でなく、アメリカと協調したうえでの対応をすべき。日本独自では弱腰になってしまうので、アメリカを加えることで映像を公開しても中国に対してはけじめがついた可能性が高いと思われる」
「日本はどこの国民のものなのか正しく理解している政党に投票したい。民主党は完全に中国共産党の一派閥だ」
「犯人を作り上げたのは、他の何者でもなく、内閣そのもの。それなのに、自分達は、全く責任をとらず、他に責任を押し付けて知らん顔。理解できない。許せない」
「命を掛けて国を守っている海上保安官に対して、中途半端で弱腰な対応しかしていない政府では、当然の対応だと思う。職を失った一式保安官の今後が気になる」
「一色保安官の行動で一般国民の目が覚めたと思う。保安官の行動は国益を考えての行動であり、むしろ表彰してほしいくらいだ。多くの民主党以外の国会議員や良識者もそう言っている。本来、罰せられるべきは政府の方であり、今回の尖閣諸島事件といい、口蹄疫といい、普天間問題をはじめとするアメリカとの安保の台無し、一体民主党政権は国をどのようにしたいのか?中国の属国にしたいのか?国民のほとんどがそのように思っており、参議院選挙、地方選挙の結果で直近の民意を示しているのにも関わらず、ずうずうしく政権に居座っている。民主党政権はもうたくさん。早く解散してほしい」
「民主党の無策無能を世に知らしめたのはよかった」
「一色元保安官には、国民のためによくやって下さった、とは言いたい。しかしながら職場のデータを無断で持ち出したわけだから、機密の指定の有無にかかわらず組織の内規に基づき処断されるのはやむを得ない。これは民間企業であっても同じだし、やはりこの程度の処分は下ることだろう。問題は、この行為が国家公務員法違反に問われていることだと思う」
「ビデオの存在は早い段階で知らされていたのだから【機密】には当たらない。国民の【知る】権利を一方的に無視したのは政府。個人的にはどこが罪に当たるのか理解に苦しむ」
「犯罪を犯した中国人船長を解放し、真実を暴こうとした海上保安官を悪者にした民主党には、ガッカリし怒りを覚えました。真面目な正直者、正義感の強い人が馬鹿を見た今回の事件は様々の事に悪影響を与えると思います。特に教育に悪い影響を与えるのでは?この事件を見た子供達は、悪事を働いても大丈夫、正義の味方より悪者の方が正しい時もあると感じたのではないでしょうか?ズルイ心を持った子供が増えれば悪事やイジメが見逃され荒廃したクラス&学校が増えるでしょう。今からでも遅くないのでビデオを全て公開し毅然とした態度を民主党政府は示して戴きたいものです」
「法にふれる行為は厳罰を持って対処するべきだと思う。しかしながら政府の無能を別の問題として厳しく議論するという前提があってこそだと思います」
「政府の対応は問題外。日本国を守るための大切な情報を隠して、犯罪中国人船長を無罪にして、国の為に情報公開した一色保安官を国家公務員法(守秘義務)違反は絶対おかしい。国家機密を公開する基準は日本の国益となるかならないかのはずである。それ以前に今の閣僚の信条に都合の悪い情報が国家機密なのか?いや国民の生命・安全・財産と国益を守るために公開すべきでない情報こそ国家機密である。中国の侵略行為を許してはならない、尖閣諸島が取られる、とあの映像から誰もが感じたはずである。今の政権与党には国民の生命・安全・財産と国益を守る精神が欠落している。中国経済に媚びるため、日本の体を切り売りすることが主権国家の外交であるはずがない。閣僚は私欲と日本全体を天秤にかけた上で、私欲のために日本人を国を失った哀れな民族にしても構わないと思っているに違いない。未来の日本のために政治生命を賭ける覚悟をもってほしいし、己の名誉欲や金銭欲を捨てて欲しいし、人のために尽くすことを知って欲しいし、経済だけではなく領土も漁民も資源も大切であることを認識してほしい」
「公開すべきものを公開しなかった民主党政権が元凶。日本の法を無視したのは政府与党であり、自らの責任は問わず、末端役人に責任を押し付けた。日本を想い、日本のため、国民の望む映像公開をしてくれた一色氏を、犯罪者呼ばわりする官房長官は政治家、人として存在価値さえ無い」
「日本政府は正々堂々と中国政府の政策を非難すべき。それをしないから国際政治の舞台での存在感がない」
「国が真っ先にビデオを公開すべきであったと思います。ビデオが公開される以前は、中国が、自分に都合のいいように捻じ曲げた情報を、堂々と世界に発信していました。一色保安官のおかげで日本の正当性が証明されました。自分たちの保身のために、保安官を処罰して事を済ませようとする政府の要職にある方たちには、猛省を期待したいです」
「海上保安庁としての処分なので、政治的な介入がないということで、外野が注文付けることではない。尖閣諸島問題は、国民感情の悪化を別にすれば、状況が変化したとは感じない。しかし、政府の弱腰を見透かされて、北方領土や竹島の問題が引き起こされ、状況が悪化したことが気になるところである」
「今回のようなことが起きた場合、政府の初動はいつも『情報収集に努めている』というものである。本来情報収集及び分析はリアルタイムで行われていなければならなく、初動は、それに基づく判断による別のものでなければならない。今の政府の対応状況では、万が一侵略の不意打ちを受けた場合は、政府は、うろたえるばかりで二の矢三の矢を次々と受け、国民及び国土を防衛できない。憲法の改正と防衛システムの改革が必要である」
「尖閣領海内で違法操業する中国漁船は片っ端から逮捕するべき。その点からすると政府の対応は問題外。米軍が日本の背後にいる限り戦争にはならない。故に安心して逮捕して起訴するべきだった」
多くの方から貴重な意見を寄せていただきました。ありがとうございます。
アンケートの結果は、一色保安官に対する停職12カ月の懲戒処分を「厳しい」とした方が84.1%の多数となりました。「妥当」は6.2%、「軽い」は1.1%の少数でした。
今回の問題は、言うまでもなく、海保の巡視船に体当たりした中国人船長を不可解なまま釈放したことが発端です。普天間問題の迷走などから民主党政権の外交能力に疑問符を抱いていた国民は少なくないはずですが、尖閣問題が"決定打"となった観は否めません。一方で日米同盟など安全保障問題に対する国民の関心が高まったことは数少ない"収穫"といえるでしょう。
今週の「365アンケート」は、1月3日からの1週間、「日本はTPP交渉に参加すべきですか?」のテーマで実施しています。ぜひ、ご参加ください。
※このWebアンケートは統計手法に基づくものではありません。そのため、集計結果は必ずしも世論を反映した内容になるとは限りません。
現在実施中のアンケート
http://www.hokkaido-365.com/news/2011/01/post-1553.html
アンケート投票画面
https://www.crossmedia-hd.co.jp/cgi-bin/hokkaido-365/enquete/form.cgi