菅直人首相は4日の年頭記者会見で、社会保障と税制の一体改革などに強い意欲を示したが、政権の実行力には不安を残す。与党が参院で過半数に届かない逆転国会下で政策を実現するための野党対策は停滞。与野党協議のめどは立っていない。首相は参院が問責決議した仙谷由人官房長官らの処遇も定め切れておらず、内閣改造で踏み込んだ発言もできなかった。
「社会保障のあり方とそれに必要な財源として消費税を含む税制の抜本改革を議論しなければならないことは誰の目にも明らかだ。野党のみなさんにも参加を呼びかける」。首相は記者会見で自民、公明両党などとの協議進展に期待を示したが、与野党協議の時期を問われても「できるだけ早い時期に」としか答えられなかった。
「政局的に衆院解散・総選挙を求めることは必ずしも国民の期待に応えることにはならない」「国会での質問要旨は24時間前に」「閣僚が海外に出ることで国益にかなうなら与野党超えて国会の日程の工夫を」。首相は記者会見で野党への要望を列挙した。けん制したのは、野党対策が遅々として進んでいないことのあらわれでもある。
下旬召集の通常国会に向け、首相がめざした政権の体制強化は遅れている。社民党、たちあがれ日本など少数政党との連携は頓挫し、参院で否決されても衆院の3分の2勢力を確保して再可決することも困難な状況だ。かといって内閣支持率が低迷する中では衆院解散をちらつかせて国会運営することも難しい。
自民、公明両党などは問責を受けた仙谷長官、馬淵澄夫国土交通相の交代を求めている。首相は記者会見で内閣改造とあわせて「これからさらに熟慮していきたい」と述べるにとどめた。問責決議の法的拘束力についても疑問を呈した。政権の要である仙谷長官の交代にはなお慎重だ。
首相が望みをかけているのは小沢氏の問題に決着をつけ、野党対策を含めた局面打開を図ることだ。「政治とカネの問題にけじめをつける年にしたい。小沢氏は自らの問題について国会できちんと説明してもらいたい」。首相は小沢氏の問題に強気だったが、それ以外に打開策が見えないことの裏返しでもある。
菅直人、仙谷由人、馬淵澄夫、税制、社会保障
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