新春恒例の伊勢神宮参拝を4日行った菅直人首相は、大勢の参拝客から激励を受け、「この国に対してしっかり責任を持って運営していかねばならないという決意を新たにした」と今年の抱負を語った。一方、自民党の谷垣禎一総裁も同日、伊勢神宮を参拝し、「今年は大きな勝負の年」と、4月に実施される統一地方選の勝利に向け対決姿勢を鮮明にした。【木村文彦、福泉亮、田中功一】
菅首相は参拝後、記者団の質問に答え「日本が元気を復活するという目標に向かって全力を挙げることを誓った」と決意を述べた。統一地方選に関しては「(来年度予算案で)5000億円を超す一括交付金を実現した。それぞれの県が自主的に(使途を)決めることができる画期的な政策で、こうした党の考えをしっかり伝えることで大きな支持をいただきたい」と述べた。
内閣支持率は低迷が続いているが、参拝客からは声援も多く寄せられ、菅首相は笑顔で次々と握手をしていた。志摩市磯部町、加藤チヤさん(70)は「自民党が長年担ってきた政治の形を変えていくのは難しいと思うが、方向性を決めて進めてほしい」と話した。
神宮司庁玄関前では、ボーイスカウトの伊勢第7団約40人と、ガールスカウトの県第1団約30人が出迎えた。団員を代表して伊勢市立佐八小4年、大西拓徒君(10)と、同小4年、西口未祐さん(9)が首相に花束を手渡した後、一緒に記念撮影した。大西君は「テレビで見るより優しそうだった」、西口さんは「みんなが幸せになるような国にしてほしい」と話した。
一方、谷垣総裁は参拝後の会見で、「今年は政治にとっても、自民党にとっても大きな勝負の年。政治家としてその使命を達成すべく先頭に立って戦い抜くという誓いを新たにさせていただいた」と意欲を示した。
また、難航している知事選の候補者擁立問題に関しては「今、三重県連でいろいろ選考を進めていると聞いている。三重県連がどういう努力をされるか、それを尊重していきたい」と述べるにとどまった。
〔三重版〕
毎日新聞 2011年1月5日 地方版