豊かな埼玉をつくる県民の集い
| 清水勇人さいたま市長の音頭で、新年を祝い乾杯する参加者＝６日午後、浦和ロイヤルパインズホテル |
新年の幕開けを祝う「豊かな埼玉をつくる県民の集い―２０１１賀詞交換会」（埼玉新聞社主催）が６日、さいたま市浦和区の浦和ロイヤルパインズホテルで開かれ、県内の政財界や文化関係者ら約千人が出席した。景気の停滞、雇用不安が続く中、今年は行政、産業分野で不況打破に向けた改革断行が強く求められている。各界のリーダーたちは郷土の可能性を紹介しながら、埼玉から「希望」や「未来」を導いていく決意を表明。今年は４年に１度の統一地方選、知事選が行われる節目の年とあって、会場では出席者による積極的なあいさつが交わされた。
発起人を代表してあいさつに立った上田清司知事は「歴史的に見ても卯（う）年は飛躍するジャンプの年」と期待。日本が直面する景気低迷や生産年齢層の縮小、進行する高齢化問題を解く鍵は「地方に与えられている」とした上で「地方から実験を見せ、良いモデルをあちこちに散らしていくことが重要と地域主権改革に取り組んでいる。埼玉の力を結集し、地域が活力を持つような制度の枠組みを組み立てたい。日本を変える力を埼玉から発信したい」と訴えた。
小谷野五雄県議会議長は深刻化する若者の就職難を問題視し、「厳しい財政の中でいい方向を出したい。きょうが埼玉を豊かにする日の出となるよう、大勢の方々に協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
細川律夫厚生労働相（衆院埼玉３区）も出席し「国民からの強く、熱い希望や願いを受け止め実現していく」と決意を新たに。内閣支持率が低迷する中、民主党県連代表代行の山根隆治参院議員は内閣改造の可能性に言及し「これを契機に上昇気流に乗りたい」と心機一転を誓った。
一方、自民党県連会長の新藤義孝衆院議員は「皆さんの願いは一つ。豊かな埼玉、元気な日本。卯年は新しい扉を開く年だという。難問山積だが戦略を立て直し、与党も野党もなく、政治が先頭に立って頑張る時だ」と力を込めた。
この後、県議会や市町村、経済界の代表らが壇上に上り鏡開き。清水勇人さいたま市長の音頭で乾杯し、年始のあいさつが始まった。
昨年６月に就任した小川秀樹埼玉新聞社社長は「地域を元気にする情報を毎日お届けできるよう、社員一丸となって日々奮闘する」と決意表明。今秋公開の映画「のぼうの城」を引用しながら「戦国時代は知力と胆力を持ったリーダーが相次いで現れ、独自の工夫で地域経済を活性化していった。それは埼玉から全国へ発信しようとしている地域主権の考え方と一致する」と、人材を含めた埼玉の持つポテンシャルの高さに期待した。