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政治を動かす2011:キーマンに聞く/4 民主党幹事長・岡田克也氏(57)

 ◇小沢氏は行動を 医療、介護から野党と歩み寄り

 小沢一郎民主党元代表の国会招致という難題に正面から取り組む。政権交代の立役者であり、格上の小沢氏の問題をどう解決するか。正念場だ、との声も聞こえる。

 「小沢氏は無条件(で出席する)と言っているので、速やかに衆院政治倫理審査会に自ら応じて出ていただきたい。あとは(通常国会前に出席するかどうかの)返事ではなく、アクション(行動)だ。疑惑を持たれた政治家が、国会という公の場で説明責任を果たすことをぜひお願いしたい」

 小沢氏は1月中にも自らの資金管理団体による政治資金規正法違反事件で強制起訴される見通しで、菅直人首相は年頭会見で小沢氏に自ら出処進退を明らかにするよう求めた。だが、昨年9月の党代表選で党所属国会議員のほぼ半数の支持を集めた小沢氏側と対立が激化すれば、党内は混乱する。

 「首相は離党や議員辞職という表現は使っておらず、踏み込んだとは受け取っていない。小沢氏が強制起訴になれば、常任幹事会での協議は必要だ。しかし、まとめ役である幹事長が先取りして物事を言うのは控えるべきだ」

 「小沢切り」に熱意を傾ける首相と岡田氏に対し、小沢氏に近い議員以外からも政策により集中すべきだ、という声が出ている。小沢氏の問題を解決しても政権運営の展望が開けるわけではない。11年度予算案審議など通常国会に向けて暗雲が垂れこめている。

 「野党ともっと率直に対話したい。このままでは政治や国会での議論そのものが国民から見放されかねない状態だ。通常国会はきちんと議論して結論が出るようにしなければいけない。野党は参院で問責決議を受けた仙谷由人官房長官らの問題を理由に審議を拒否すると言っているが、予算案を最初から審議しないことが国民にどう映るかをよく考えてほしい」

 通常国会を乗り切るためには、野党との連携強化が不可欠になる。しかし、菅政権は昨年末、たちあがれ日本に連立参加を呼びかけたが不調に終わり、政権の具体的な野党攻略法は見えてこない。

 「野党各党と共通の部分を増やし、協力できるところは協力していく。国民のことを第一に考えるという思いをもって話をしていけば協力できる部分はおのずと広がっていく」

 首相は年頭会見で社会保障と税制の一体改革の超党派協議を呼びかけ、今年6月には方向性を出すと表明した。しかし、野党は内閣支持率の低迷する菅政権に協力する姿勢を見せていない。野党からどう歩み寄りを誘おうとしているのか。

 「医療、介護などの問題から入っていく。年金の問題は非常に大きな問題なので、ある程度時間が必要だ。年金は大きな方針から議論に入ったほうがいい。細かい制度設計まで6月までにできるとは思わない。医療、介護、福祉、子育て支援などだけでも方向性が明確に出てくれば、大きな前進だ」【聞き手・影山哲也】=つづく

毎日新聞 2011年1月8日 東京朝刊

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