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内憂外患、満身創痍で新年を迎えた菅首相、年頭所感では「元気のある日本を取り戻したい」と、カラ元気を連発。だが実際は連日、民主党幹部との会合を繰り返し、小沢問題と内閣改造で支持率回復と政権浮揚策を練ることに腐心。そんな中、5日に毎年恒例の経済3団体共済の「2011年新年祝賀パーティ」に出席し、次のように挨拶した。
2011年、いよいよこの年が明けた。この2011年という年は日本にとって、あるいは世界にとって、大きな分水嶺だと感じている。目指す国のあり方の理念として、まず平成23年を「平成の開国の元年にする」「最小不幸社会の実現を目指す」「不条理を正す政治を実現する」との3つの考え方を持っている。
本日は日本・東京商工会議所岡村会頭、日本経団連の米倉会長、経済同友会の桜井代表幹事はじめ日本の経済界を代表される皆さんの集まりである。まさに今日本が明治と戦後に続く開国が必要であることを最も実感しているのは皆様方だ。
だが、現在の若者たちの間で海外留学者数が激減するといったように、内向きになっている。この状況が続くならば、10年先、20年先を待たずして我が国はアジアの小さな国になってしまうという危機感を覚えている。
TPPをはじめとする貿易の自由化についても、いろいろな農業の改革など課題はあるが、こうした課題を乗り越えて突き進むことなくしては日本の再生はないという思いで頑張りぬきたい、その一年にしたいと考えている。
また、社会保障、それを安定的に維持・発展させるための財源のあり方については、これまでの10年、20年議論が進んでいない。だれが政権を担おうともこの問題を避けて通れない。ぜひとも年初、時間を待たずして、与野党の間での議論が始められるよう、みなさま方にもご協力をいただき、思いきって改革の大きな一歩をスタートさせたい。
さらには不条理を正す政治に果敢に取り組んでいきたい。20代に経験した市民運動で目の当たりにした公害・薬害問題での不条理さとの戦いで抱いた「不条理を正したい」との原点の思いを胸に、総理としても臨んでいく。硫黄島遺骨収容特命チームと同様に、ときには総理の判断で特命チームを組んで取り組んでいく。
もうひとつの大きな夢を申し上げたい。世界の最大の課題であるエネルギーと環境問題。私はこの問題を解決する鍵は植物にあると考えている。日本の科学技術を使えば植物から再生可能なエネルギーを取り出すことができる。太陽エネルギーや地熱エネルギーを含めてそのことは可能であると考えている。地球を救う技術において日本はどの国にも勝るとも劣らない技術をもっていると確信している。
最後に、経済人の皆様にお願いがある。大きく努力して稼がれたお金をため込むのではなくて、思い切って国内に投資し、有能な人材を雇用し、優秀な人には給料を増やしていく。そういう攻めの経営をお願いする。
この経済団体との新年パーティの模様はどこの新聞も全くと言っていいほど「無視」していたので、敢えて紹介した。唯一、日経が首相の最後の「注文」について、会場から「文句を言う前に経済対策をしっかりやって欲しい」との苦言を紹介していたくらいであった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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