さぁ開業!おもてなし 主役は県民
2011年1月7日(金) 東奥日報 ニュース




■ 電子書籍に熱い視線/県内書店

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昨年12月発売されたソニーの端末機「リーダー」。中高年や女性の関心を集めているという(青森市の家電量販店)
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 電子書籍市場拡大の動きに、県内の書店関係者が強い関心を寄せている。紙の本の流通が落ち込み、出版不況にあえぐ書店の経営がますます厳しくなる−と危機感を示す関係者がいる一方で、ビジネスチャンスと捉え、電子書籍を通して地元文化を紹介し、読書文化を活性化させたい−とする動きもある。

 青森市の書店「よしのや本間」の本間博社長は、市内の電器店などを回り、拡大傾向の電子書籍市場の動向を注視している。

 「電子書籍の割合が増えるとその分、新刊本など紙の本の部数が少なくなる。紙の本が大都市ばかりに配本され、地方へ行き渡らなくなるのではないか。県内の書店が、紙の本でやっていけるかどうか」

 バブル崩壊後の出版不況の中、複数の県内老舗書店が姿を消した。“冬の時代”の中で同書店は、雑貨、教材、食料品など幅広く手掛け、生き残りを図ってきたが「これからはより積極的な商売をしていかなくては」と本間社長。社員に米アップル社の端末機「iPad(アイパッド)」を持たせて機能を習熟させ、来るべき本格的な電子書籍時代の書店の在り方を模索。電子書籍を“商売敵”とみなすのではなく、どううまく利用していくかを探っている。

 県書店商業組合の鶴谷祿郎理事長は、米国を中心に急拡大する電子書籍市場のうねりを「グーテンベルクが印刷技術を発明して以来の大変革期」と表現。「この時代の流れにはあらがうことはできない。書店も変わらなければ」と、「紙と電子の共存」を提案する。

 地元書店などで構成する同組合は現在、郷土関係の本や地元作家の本を電子化することを検討。現在市販されている電子書籍端末機とは別の専用端末機を通して、郷土出版物を発信する計画を立てている。

 「地元の優れた作家の作品や、手に入らなくなった郷土の絶版本を多くの読者に紹介したい。読者と作家をつなぐ役割を担いたい」との狙いだ。絶版になった郷土の本でも、電子書籍であれば比較的簡単に“復刻”でき、後世までデジタルで残すことができる。

 著作権や編集権の問題、料金体系などの課題を整理し、この配信事業ができる環境が整えば、今春にも専用端末機を書店などで販売し、その端末機を通して地元文化を発信することになる。

 鶴谷理事長は「紙の本を愛する人がいる限り、紙の本は残るし、書店も存続する。しかし、時代のニーズを受けて書店も変わらなければならない。紙であれ、電子であれ、私たちは活字文化の活性化を目指している」と強調する。

 情報関連分野に詳しい青森公立大の香取薫・地域研究センター長は、電子書籍の今後の展開について「気軽に読める雑誌や週刊誌の分野で、電子化は進むだろう。しかし、紙媒体は、線を引いたり、付箋をつけやすいなど便利な点もあり、決して消えることはない。しばらく紙と電子が共存する『コンテンツ(情報の内容)のハイブリッド時代』は続くだろう」と語る。

 県書店組合が検討している配信事業については「電子書籍は、巨大な図書流通システムを通さずに情報を提供できる点で、地方にとってはメリットがある。情報発信の有効な手段」と話した。

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