2011年1月10日
大阪府豊中市のマンションの一室で女性2人の遺体が見つかった問題で、2人はこの部屋に住む姉(63)と妹(61)とみられることが9日、大阪府警の調べで分かった。姉の死因は心臓疾患とみられ、妹は不明だが、2人の胃には何も残っていなかった。行政などに相談しないまま生活に行き詰まり、病死や餓死した可能性が高い。2人が救われる道はなかったのか。
府警が2人の遺体を司法解剖したところ、ともに昨年12月22日ごろに死亡したと判明。2人の胃に内容物はなかった。身長147センチの姉の体重は37キロ、158センチの妹は30キロまでやせていた。
豊中市や府警によると、水道料は7月から滞納され、電気とガスは9月から止められた。ごみが散乱したマンションの一室に食べ物は残っておらず、2人は上着を4枚着込んでいた。妹名義の貯金通帳の残高は一昨年11月時点で11万円あったが、昨年6月でゼロに。居間の机にあった財布には90円しかなく、近くに1円玉が数枚落ちていたという。
マンションは大阪地裁の強制管理物件だったため、地裁の執行官が2週間に1度は訪問していたが、9月ごろから姉妹に会えなくなった。
一方、近所の人は11、12月ごろまで姉妹を見かけていた。車いすに乗った妹と、それを押す姉。2人とも服は汚れ、白髪が長く伸び、70代だと思っていた人もいる。うつむき加減で、あいさつにもはっきりした返事はなかった。「気さくな人」との証言もあるが、最後は近所づきあいもほとんどしていなかった。
姉妹の一室の玄関ドアには、執行官が市役所の相談窓口を訪れるように勧めた手紙が貼られていたが、それに応じた様子はない。
「お嬢様」。2人を知る人たちはこう口をそろえる。地方銀行の重役だった父は、土地やマンションなどを持つ資産家だったという。生活が傾き出すのは、父と母が相次いで亡くなった20年ほど前。2人だけで暮らしていたが、受け継いだ財産が逆に重くのしかかった。
「地代などの収入は税金の支払いに充てると聞いた」。10年ほど前、姉妹から土地を買った女性は証言する。当時姉妹が住んでいた実家を訪れると、割れた窓ガラスに粘着テープが貼ってあった。畳はぼろぼろで、室内はカビのにおいがした。