尖閣映像流出:「自分が流出」 神戸海保職員を逮捕方針

2010年11月10日 12時17分 更新:11月10日 14時24分

第5管区海上保安本部が入るビル=神戸市中央区で2010年11月10日、本社ヘリから小関勉撮影
第5管区海上保安本部が入るビル=神戸市中央区で2010年11月10日、本社ヘリから小関勉撮影
衆院予算委での午後の質疑冒頭に中国漁船衝突事件の映像流出に海上保安庁職員が関与していたことを報告する鈴木久泰長官=国会内で2010年11月10日午後1時1分、藤井太郎撮影
衆院予算委での午後の質疑冒頭に中国漁船衝突事件の映像流出に海上保安庁職員が関与していたことを報告する鈴木久泰長官=国会内で2010年11月10日午後1時1分、藤井太郎撮影

 沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突を巡るビデオ映像が流出した事件で、第5管区海上保安本部(神戸市)の神戸海上保安部に所属する40代の男性職員が10日、上司に「自分が映像を流出させた」と話したことが分かった。映像は5管のある神戸市内の漫画喫茶(ネットカフェ)から動画投稿サイトに送信された可能性が高いことも判明。海保が神戸市内で職員から事情を聴いており、警視庁は国家公務員法(守秘義務)違反の疑いで取り調べ、容疑が固まれば逮捕する方針。

 海上保安庁の鈴木久泰長官は10日午後1時から衆院予算委員会で経緯を説明した。説明などによると、職員は巡視艇「うらなみ」の乗組員で、船上勤務中の10日午前9時ごろ、船長に「自分が流出させた」と報告したという。

 警視庁は9日から神戸に捜査員を派遣、映像が送信されたとみられる神戸市中心部の漫画喫茶の防犯カメラの映像を分析していた。職員が名乗り出たことを受け、映像が投稿された当時、本人がこの漫画喫茶を利用していなかったか詳しく調べている。検察当局も10日、神戸に検事を派遣した。

 流出した映像は、石垣海上保安部が那覇地検に提出した十数本の映像資料の一つだったことが分かっている。「sengoku38」という登録者名を使った人物が、4日午後、米グーグルが運営するサイト「ユーチューブ」に投稿、5日午前7時半過ぎに投稿者自身によって削除されたとみられている。

 検察当局は投稿記録を照会したが、グーグル側が任意提出は困難と回答したため、裁判所の令状を取ったうえで、9日に投稿記録を差し押さえた。東京地検と警視庁が、投稿記録を調べたところ、神戸市内の漫画喫茶が浮上した。

 5管は1948年に神戸海上保安本部として設置された。大阪や神戸、和歌山など7カ所に保安部があり、ホームページでは「ユーチューブを利用して海難救助やイベントなどの臨場感あふれる映像を配信している」としている。

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