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【福井】

交安協の加入率低迷 02年の横領事件境に減

2010年12月31日

窓口で、交通安全協会の活動について説明を受ける人たち(手前)=坂井市春江町の県運転者教育センターで

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 県内で交通安全協会の加入率低下に歯止めが掛からない。12月末時点で60%台となる見通しで、本年度は過去最低を更新するのがほぼ確実な情勢だ。背景には、2002年に発覚した職員の横領事件による信頼低下や、活動の成果が市民に伝わりにくいことなどがある。 

 「交通安全活動へのご協力を、任意でお願いしています」。坂井市春江町の県運転者教育センターにある協会窓口では、担当者が免許の更新に来たドライバーたちに入会を呼び掛ける。

 活動内容の説明を聞いたという坂井市の女性(39)は「知人が交通事故に遭ったこともあり、事故防止に何か協力できれば」と入会した。ただ、ドライバー側には冷ややかな反応もある。福井市の男性(61)は「横領事件を知るまでは毎回入会していたが、事件以降は一度も入っていない」と厳しい。

 協会によると、01年度の平均加入率は約90%だったが、県警OBの職員が約6年間にわたって約2億4000万円を着服し、実刑判決を受けた02年度に初めて70%台に。収支をホームページでも公開しているが、その後も元の水準に戻っていない。

 会費による収入も2000年度の2億6800万円から、02年度の2億100万円、03年度には1億7700万円に減少。退職金の支給を一部見送っているほか経費節減を徹底しているが、今後も収入減が続けば、活動への影響は免れない。

 市民の中には「活動についてもマンネリ化した印象で、安協の活動の効果や、入会のメリットを意識したことはない」との声もある。 (山本洋児)

 【交通安全協会】 各警察署単位で組織され、交通安全の啓発活動に取り組む。事業の柱は▽交通安全県民運動などの公益事業▽免許更新時講習などの委託事業▽免許申請時の写真撮影などの収益事業−の3つ。会費は年間500円。

 

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