【パリ共同】フランスの自動車大手ルノーは、幹部3人が日産自動車と共同開発中の電気自動車(EV)に関連する機密を外部に漏えいしていた疑いが強まったとして、6日までに無期限の停職処分にした。フィガロ紙などフランス各紙が同日、一斉に報じた。
漏えいした情報には日産・ルノーグループが戦略事業と位置付け約5000億円の投資を見込んでいるEVの電池やモーターに関する極秘の内容が含まれていたという。情報の流出先などは不明。
フィガロ紙はスパイ工作の背後には競争相手の自動車会社などがいると推定。EVの技術分野で先頭を走る日産・ルノーグループの電池開発の進展状況を探っていたとの見方を示した。事実とすれば、グループの電気自動車事業に大きな影響を与える可能性がある。
報道によると停職処分となったのは、27人で構成する同社経営委員会に参加する最高幹部1人のほか、電気自動車開発などに関わる幹部2人の計3人。昨年8月ごろに漏えいの疑いの情報が同社職業倫理委員会にもたらされ、調査が進められていた。
3人に対しては、さらに査問が実施される予定。
日産は「ルノー側のことであり当社はコメントする立場にない」(広報部)としている。
毎日新聞 2011年1月7日 東京朝刊