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【コラム】 メールの不達で困ったぞ!いったい誰の責任なの?

2009年4月16日 11時0分 (R25.jp)

ビジネス関係のメールが不達で、大切な契約に大穴をあけてしまった…。この怒りをどこかにぶつけたいし、少しでも損害を取り戻したいのだけど、「ベストエフォート」すなわち「完全なサービス実現を保証しない」という原則があるインターネットでは、メールサービスを提供するプロバイダーを訴えようにもハードルが高い。

となると、悔しいけれどやっぱり泣き寝入りしかないのだろうか…。

「そうとも限りません。裁判で争う場合、プロバイダー側の障害対策が実際にどの程度行われていたのか、業務向けサービスなのか一般ユーザー向けサービスなのかなど、具体的な実情も勘案された判断が行われるでしょう。また、ユーザーが消費者契約法で保護される可能性もありますよ」(弁護士の鎌田真理雄氏)

おお、これは耳寄り情報だ! その消費者契約法とはつまりどういうこと?

「事業者と消費者との契約で、消費者を一定の範囲で保護しましょうという法律です。事業者側に過失がある場合の事業者のすべての免責や、事業者に故意・重過失がある場合の一部免責とかは認められません」

おお! であれば、プロバイダーに過失がある場合には、損害賠償責任を問えるんですね。この間、とても重要なメールが到達しなかったんですよねー。いくら損害賠償請求できるかな? わくわく。

「ただし、たいていのプロバイダーでは、損害賠償の範囲を制限する条項を利用規約に設けています。一番多いのは、月額使用料のうち、ネットへの接続などの正常なサービス提供ができなかった時間や日数の割合分を上限として損害賠償責任を負う、という定め方でしょうか」

えー。じゃあメールの中身の重要性は考慮されないの?

「特別な合意をしていない限りされません。そもそもプロバイダーからすれば、メールの中身の重要性なんて知り得ませんし、逆にプロバイダーがそれを知ったら通信の秘密を守らなかったことになるので、別の大きな問題になってしまいます」

でも、故意・重過失がある場合は、損害賠償責任の一部免責も認められないのでしょう?

「はい。ただし、故意というのは相当レアな場合ですよね。さらに重過失というのも故意と同じくらいの過失って意味です。故意にネットに接続させなかったり、メールを送信しなかったりって、ほとんどありませんよね」

要するに、損害賠償請求できたとしても、利用できなかった時間・日数単位でしか認められないということのようだ。毎月のプロバイダーに払っている額からするとスズメの涙である。とほほ…。

「結論としては、メールが到達しないリスクも考えて、確認の電話やメールをするなどして自衛するしかないのかもしれませんね。それでもメールの不到達自体を完全に防げるわけではないでしょうから、インターネットはそんなもんだっていう割り切りが必要なんです。メールに返事がないからといって、メールの相手先にいきなりブチ切れメールを送ったりすると、恋人や取引先をなくしてしまうかもしれませんよ」

まるで実体験したことがあるかのように悟りきったご回答ありがとうございます!

やっぱり今の時点では、ある程度の割り切りが必要なんですね。でも、すでにインターネットは社会インフラと言えるのだから、少なくとも彼女にくらいは安心してメールしたいものです。

(R25編集部)

メールが届かないのは誰のせい?はコチラ

※コラムの内容は、フリーマガジンR25から一部抜粋したものです

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