お歳暮、お中元など節目のあいさつや贈り物、不景気も相まって商戦の苦戦は耳にする。あれこれアイデアの絞りどころだが、最近は「人間ドック」も贈り物となっている。
「こういうものまで」とやや苦笑したが、すぐ思い直した。県立医療機関の無床化問題は続き、慢性的医師不足の揚げ句、偽医者騒動すら起きた。岩手というところは、県民に自ら病気を防ぐ努力が相当求められている。企画した県予防医学協会などの担当者は「会社を定年すれば定期健康診断もなくなり、個人営業や農業だと人間ドックと縁遠い人もいる。贈り物で健康維持のきっかけにしてほしい」という。
かくいう私、生まれいでて45年、体のあちこちにガタがきている。人間ドックに行ったが、即刻入院とまでいかぬものの良いところを探す方が難しかった。さてさて、どうやって立て直すか。年末、「ぴんぴんころり」の文句が妙に深く心に響いた。禁煙用電子たばこの煙、くゆらす。【清藤天】
毎日新聞 2011年1月4日 地方版