2010年11月6日 19時58分 更新:11月6日 21時11分
2012年春に大学を卒業する予定者のための合同企業説明会(リクルート主催)が6日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれ、大学3年生の就職活動が本格的に始まった。大学は就職活動の早期化・長期化に危機感を強めるが、企業も学生も出遅れまいと必死。この日は3万人を超える学生が来場し、同社は7日との両日で過去最多の5万8000人を見込んでいる。
初日は約180社がブースを出展。学生は受け付けの1時間以上前から入り口に列をつくり、午前11時の開場と同時に目的の企業に走った。
大手総合商社のセミナーに参加した明治大3年の男子学生(20)は「周りの友人も動き始めているので(就職活動は)やらざるを得ない。採用は大手企業から始まるので順番に受けるしかない」と話す。大阪市の中堅自動車部品メーカーの人事担当者は「採用に向けた準備期間が不十分になるなど、早期化は困る。だが国際的な競争が激しく、優秀な学生はほしい。主要企業が早く動けばついていくしかない」。
企業の採用活動を巡っては、97年の就職協定廃止後、日本経団連が倫理憲章を設けて学業に配慮するよう申し合わせてきたが、不況を背景にして、早期化に歯止めがかからなくなっている。一方、帝国データバンクが10月、約1万社に実施した調査では、67%が「早期化は問題あり」と回答。商社の業界団体「日本貿易会」は、商社の採用時期を遅らせることも検討している。
大手ゼネコンの人事担当者は「学生の取り合いは相当激しく、紳士協定では難しい。商社だけが遅らせるというのも効果は疑わしい」と話した。【市川明代】