朝鮮学校:高校授業料無償化の適用基準決まる

2010年11月5日 20時13分 更新:11月5日 20時33分

 高木義明文部科学相は5日、高校授業料無償化制度に関する朝鮮学校の審査の基準を決めた。全国にある全10校の朝鮮学校はこの基準を満たしており、申請があれば全校が支援の対象となる見通しだ。適用する基準は専修学校高等課程の基準がベースで、修業年数3年以上などが条件となる。文科省は省令を改正し、11年度から導入する。

 発表によると、適用基準は(1)修業年数3年以上(2)年間授業時間800時間以上(3)校舎面積(定員200人の場合)600平方メートル以上(4)教員数(同)6人以上--など。年間指導計画、財産目録、学級編成表など13の書類を添付して11月30日までに文科省に申請、専門家会議の審査を経たうえで高木文科相が指定する。「支援金が確実に生徒に渡るか疑問」との指摘に応え、生徒個人の受領書などの提出を別途受けるとした。書類が提出されなかったり、支援金が生徒に渡っていなかったことが確認されれば、指定を取り消す。

 日本の高校にあたる全国の朝鮮学校には約1800人の生徒が在籍しており、世帯収入に応じて年間11万8800~23万7600円の就学支援金が、10年度にさかのぼって支給される。

 朝鮮学校については与野党の議員から「授業内容が反日的」などの指摘がある。高木文科相は「支援金は生徒個人に支給されるという観点から、教育内容には介入しない」としたうえで「懸念の声に対しては自主的改善を求める」と説明。「学校側には日本社会の担い手の育成を目指すため、日本の政治・経済などの教科書を使って授業を行うことも要望する」と理解を求めた。

 高校無償化制度は4月に導入されたが、朝鮮学校への適用については当時の中井洽拉致問題担当相らが「(拉致問題は)国全体で取り組むことだから当然、制裁をかけるべきだ」などと反対したため、10年度の導入は見送られた。その後、文科省の専門家会議が「専修学校高等課程に準ずる」との基準案をまとめ、民主党政策調査会の文部科学部門会議が了承していた。【篠原成行】

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