日銀決定会合:国債買い取り週明け開始

2010年11月5日 12時8分 更新:11月5日 13時0分

 日銀は5日の金融政策決定会合で、10月に決めた「包括的金融緩和」の柱として創設した基金による国債買い取りを週明けから開始することを決めた。株価指数連動型の上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(Jリート)の買い取り策の詳細も決定し、包括緩和が週明けから動き出す。

 また、米連邦準備制度理事会(FRB)が3日に決めた追加金融緩和の影響も議論。円高などを注視する姿勢を確認し、政策金利(無担保コール翌日物)は現行の「年0~0.1%程度」に据え置くことを決め、追加緩和は実施しなかった。景気の現状は「改善の動きに一服感がみられる」との判断を示した。

 日銀は基金5兆円で国債や社債、ETF、Jリートなどを買い取る。ETFに4500億円、Jリートに500億円を充てる。日銀は国債などは保有する金融機関から購入してきたが、値下がりリスクを抱えるETFやJリートは市場から買い取ることを決めた。投資家に安心感を与え、株式や不動産への投資活発化を狙う。ただ、個別銘柄の価格形成をゆがめないように、信託銀行に資金を預けて、買い取ってもらう。12月中旬に買い取りを開始する予定。

 決定会合は当初、今月15、16日を予定していたが、資産買い取りを年内に開始するため、異例の前倒し開催で4日に始まった。【清水憲司】

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