NY株:「リーマン前」回復…2年10カ月ぶり高値

2010年11月5日 11時32分 更新:11月5日 11時53分

 【ワシントン斉藤信宏】4日のニューヨーク株式市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が前日に追加金融緩和を決めたことを好感して急伸し、ダウ工業株30種平均は前日終値比219.71ドル高の1万1434.84ドルで取引を終え、終値で、米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻(はたん)直前の08年9月12日の水準(1万1421.99ドル)を上回った。ダウは5営業日続伸。ハイテク銘柄主体のナスダック総合指数も37.07ポイント高の2577.34と08年1月3日以来、約2年10カ月ぶりの高値。

 欧州でも株価は大幅に上昇し、英国とドイツの株式指数が08年6月以来、約2年5カ月ぶりの高値水準を回復した。

 ダウは、リーマン・ショックを引き金に急落し、09年3月上旬には一時、6500ドルを割り込んだ。その後は米金融システムの安定化などを受けて持ち直し、約2年2カ月ぶりにリーマン・ショック前の水準を回復した。

 4日のニューヨーク市場は、FRBの追加緩和で株式市場への資金流入期待が高まった。FRBのバーナンキ議長が同日付の米紙への寄稿で、最近の株価上昇を金融緩和の効果と位置づけたことも、市場で「FRBは今後も株価維持の政策を続けるのではないか」との期待感を広げた。米国経済は失業率が高止まりするなど停滞していて、「株式相場は実体経済を反映していない」との指摘も出ており、上昇の勢いが続くかは不透明だ。

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