駐露大使:帰任はAPEC後 追加措置せず

2010年11月4日 15時0分 更新:11月4日 15時43分

ロシアから一時帰国した河野雅治駐ロシア大使=成田空港で2010年11月3日、石井諭撮影
ロシアから一時帰国した河野雅治駐ロシア大使=成田空港で2010年11月3日、石井諭撮影

 ロシアのメドベージェフ大統領が北方領土の国後島を訪問したことを受け、日本政府は4日、一時帰国させた河野雅治駐ロシア大使を、11月中旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)が終了するまでロシアに戻さない方針を固めた。一時帰国はロシアへの事実上の対抗措置だが、政府高官は「ロシア側が北方領土に関して新しい動きをしない限りアクションは起こさない」と述べ、新たな対抗措置は講じない方針を示した。

 河野大使は3日に一時帰国し、菅直人首相や前原誠司外相らに対し、大統領の訪問の狙いや背景について「2012年の大統領選などを見据え、国内向けにアピールするとの要素が大きい」などと報告した。

 報告内容を踏まえ、日本政府は河野大使の扱いについて、少なくとも日露首脳会談を行う方向のAPECまではロシアに戻さない方針を確認。メドベージェフ大統領は歯舞群島と色丹島への訪問を計画しているとされているが、日本政府はロシア側がこうした新たな行動を起こさない限り、政府として一時帰国以上の対抗措置を取らないことも確認した。

 一方、大統領が国後島訪問を断行する前に、在ロシア大使館から外務省に対し「大統領は国後島を訪問するかどうか、10月末の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合でハノイを訪れた際に決断する」と報告があったことも明らかになった。【犬飼直幸】

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