北朝鮮産貝類、「中国産」と偽り販売(上)
- 北朝鮮産の貝類が中国産と偽装され、販売されているという仁川市蘇莱浦口の水産物店。「北朝鮮産」と看板に堂々と表記している店もある。/写真=李信栄記者
天安爆沈事件以降、北朝鮮との貿易が全面的に中断される中、北朝鮮産の貝類が中国産として偽装され、韓国・仁川港に大量に輸入されていることが分かり、海洋警察が調査に着手した。偽装理由は、北朝鮮が韓国との貿易中断でドル資金確保が難しくなり、原産地を偽装してでも貝類を輸出しようとしているためとみられる。関税庁の統計によると、4月に仁川港に輸入された中国産貝類は約1240トンだったが、10月には約3000トンへと増えた。
仁川海洋警察署は2日、「対北朝鮮貿易事業者や海産物商の間で、北朝鮮産の貝類が原産地を中国と表記する形で、韓国に輸入されているという話が広がっている。中国から持ち込まれた貝類が北朝鮮産かどうかを確認するため、対北朝鮮貿易事業者に対する調査を行う」と説明した。同署は取引内容や流通状況を確認するため、担当官2-3人を近く中国の遼寧省丹東市に派遣する。
海洋警察によると、北朝鮮と中国の海産物業者は、母貝を北朝鮮の海州、南浦沖にまき、貝が育つと、それを採取して中国の丹東に運び、中国産として仁川に輸出しているという。海洋警察関係者は「中国より北朝鮮海域に生息する貝類の方が良質だとされ、中国の業者も北朝鮮産を好んでい」と語った。
対北朝鮮貿易が中断される前、韓国東岸の江原道束草港に運び込まれていた貝類も仁川港経由で輸入されていることが分かった。ある対北朝鮮貿易事業者は「昨年5月24日に韓国政府が『北朝鮮に1ウォンの現金も入らないようにする』として貿易を中断後、北朝鮮の東海(日本海)側で採取された貝類が陸路で丹東に運ばれ、そこから仁川港に入ってきているといううわさで持ちきりだ」と話した。税関によると、昨年1-5月には束草港に約4200トンの北朝鮮産貝類が輸入されたが、禁輸以降は代金決済が済んだ約230トンが輸入されたにとどまっている。