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窒息死亡事故が多発する餅はなぜ規制されないのか?

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提供:A Successful Failure

新聞報道によれば、5都県で元日から2日にかけて、餅を喉に詰まらせ24人が病院に搬送、内10人が亡くなったという。亡くなったのは60〜95歳の高齢者ということだ。実際餅にはどの程度のリスクがあるのだろうか?

食べ物による窒息死亡事故のほとんどは高齢者



総務省・全府省 政府統計の総合窓口(e-Stat) 人口動態調査において表「不慮の事故の種類別にみた年齢別死亡数」のうち「その他の不慮の窒息」の「気道閉塞を生じた食物の誤嚥」によるものを抜き出したのが次の表だ。

平成総数0歳1〜4歳5〜9歳10〜14歳15〜29歳30〜44歳45〜64歳65〜79歳80歳〜不詳
9年3,66935156123625101,2281,7863
10年3,95640106318685371,3321,942-
11年4,0812973415675591,4171,9791
12年3,98531146416595341,3531,9671
13年4,223268-218586211,4542,0351
14年4,18727113223605251,4062,1291
15年4,20716142416645041,4342,153-
16年4,20618152317575261,4242,144-
17年4,4852473619635661,4672,3291
18年4,4071816218805531,3712,358-
19年4,37213128111694651,3442,449-
20年4,72719111210665351,4182,6641

食べ物による窒息の死亡者数は毎年4,000名を超えるまでに増加しているがそのほとんどが65歳以上の高齢者に集中していることが分かる。近年の増加傾向も高齢者の死亡数の増加によるものが原因でその他の年齢層においては増加傾向は見られない。一方、絶対数こそ少ないものの、死亡総数に占める食品による窒息死亡事故数の割合としては0〜4歳児が大きくなっている。そのため、幼児、高齢者を中心に注意喚起が図られているのが現状だ。

餅はダントツに危険な食べ物



食品安全委員会は食品による窒息事故のリスク評価結果を配布し、様々な食品の窒息事故のリスク評価結果の概要を解説している。一口あたりの窒息事故頻度(単位:10-8[1億分の1])を試算したのが次の表だ。


ケースごとに根拠となる数字が異なっており多少ばらつきがあるが、餅が最も危険で、次にミニカップゼリー、飴類、パン、肉類、魚介類、果実類、米飯類となっている。ミニカップゼリーをこんにゃく入りのものに限ると、死亡事故頻度は餅類の1/30程度、飴類の1/4程度まで下がることが分かる。逆に言えば餅はこんにゃくゼリーの30倍、飴の4倍程度に危険な食品だということだ。特に高齢者にとっては無視できないリスクだ。窒息事故を防止するのであれば、真っ先に対応を検討すべきなのが餅なのは明らかだ。

なぜこんにゃくゼリーだけが悪者に?



このような数値の裏付けがあるにも関わらず、餅を規制しろという声は聞こえてこない。聞こえてくるのはこんにゃくゼリーに対するものばかりだ。消費者庁はこんにゃく入りゼリーをはじめとする食品等に起因する窒息事故の防止に関する取組みを行っており、12月22日には、こんにゃく入りゼリー等の物性・形状等改善に関する研究会報告書を公開している。
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