ルポ:1000万世帯が「小規模住宅」に暮らす日本(上)
1、2人世帯、東京は70%…近い将来は韓国も
今月11日に東京都内を訪れた。東京駅から南西に向かって10キロの所にある目黒駅で下車し、10分ほど歩くと、銀色の大理石で飾られた6階建ての優雅な建物が目に入ってきた。約900平方メートル(272坪)の敷地に建てられたこの建物には、30~40平方メートル(9~12坪)規模の小さな住宅が50世帯ほど集まっている。家に入ると、部屋一つとリビング一つ、キッチン一つという構成になっていた。
40平方メートルの住宅を1年前に4000万円で購入した加藤さん(31)=会社員=は、「わたしたち夫婦と4歳の娘の3人家族だが、特に不便さは感じない。夫の会社がバスで5分の所にあって、自転車で通勤できるから、とてもいい」と笑顔で語った。
■1人暮らしが増え、小規模住宅の供給増加
最近韓国では、都市型住宅など50平方メートル(15坪)未満の小規模住宅が増えているが、日本ではすでに1990年代からブームになっていた。
現在日本の小規模住宅の数は約1000万世帯で、住宅全体の20%を占める。小規模住宅が急増したのは、1、2人で住む世帯が増えたためだ。東京の場合、全570万世帯のうち家族構成員が1、2人にすぎない世帯の占める割合が実に70%に上る。結婚しても、子どもを生まない人が増えた上に、高齢化で夫婦だけで住むお年寄りの割合が増えているためだ。
しかし日本には、小規模住宅を投資の対象と見る韓国のような考えはほとんどない。小規模住宅を借りて生活している山本さんは「今すぐ賃貸収入が入ってくるとしても、後々売却する際に家の値段が下がれば結局同じことだから、投資用として購入する必要性を感じない」と話す。日本は低出産に高齢化が重なって人口の減少が本格化し、全般的な住宅需要が減ったため、住宅価格は20年間にわたって下落している。従って小型であれ大型であれ、住宅を投資用と考える人はいない。