砂糖の相場が過去30年の高値をつけています。
sugar

一般に農産物の市況は需要の増減より供給サイドが価格決定に大きな影響をもたらします。その理由は世界の人々の食生活は景気の善し悪しに余り左右されない一方で作柄は天候の影響を大きく受けるからです。

砂糖に関して首をかしげてしまうのは現在の高値が収穫の不調によるものではない点です。

確かに例年よりオーストラリアでの降雨が多すぎそれが出荷に影響しているなどという要因は指摘されています。しかし全体からみればそれは重要ではありません。

むしろこと砂糖の場合、世界の消費がどんどん伸びているという事が構造的な問題になっていると思います。

下のグラフは世界の砂糖がどこで生産され、またどこで消費されているかを表しています。
砂糖

緑色は地域別の余剰ないし不足を示しています。

これを見ると余剰があるのはブラジル、オセアニア(オーストラリアなど)、中米のみで、それ以外の地域は皆、需要が供給を上回っています。

特にアジアにおける生産力の不足が目立ちます。(世界全体での不足分を足し上げると1000万トンになります。)

一方、大きな供給力を持った国はブラジルだけであることがわかります。
サトウキビは気象条件による制約を受ける上に労働集約的な作物なので人件費や機械化効率などにも左右されます。

長期の需要動向を見ると砂糖需要は年率3%程度で成長してきました。しかし近年、需要の増加のペースは加速しているように見られます。

この理由は発展途上国の消費者が少し豊かになると食物摂取の際の砂糖の比率が増えることが知られているからです。

とりわけ中国人の一人当たり砂糖消費量は世界平均の3分の1であり、これは今後どんどん増えると予想されています。

関連企業としてはブラジルのコーサン(ティッカー:CZZ)が世界最大の砂糖の精製業者になります。


なおコーサンは楽天証券で扱いがあります。