松井秀喜が石川県に帰省

　アスレチックスにＦＡ移籍した松井秀喜外野手（３６）が３１日、故郷の石川県に帰省。コートにチノパンというラフなスタイルで小松空港に姿を見せ花束を受け取ると、出迎えた約１５０人の地元ファンに満面の笑みを見せた。

　「故郷は自分にとって新たな年を迎えるためにリセットする大切な場所。来年は今年以上にいいプレーを見せたい。しっかり準備してプレーオフに行けたらいい」

　そんな松井の帰省を心待ちにしていたのが恩師の星稜高・山下智茂総監督（６５）だ。これまで数々のノルマを課してきた年賀状には「健康第一」と記して投函（とうかん）。同時にア軍入団会見で見せた松井のリーダー宣言に期待を膨らませた。「今季の反省も生かすはず。それにあいつは信頼して任せたら打つ」（山下氏）。すでに今オフも自主トレを精力的に行うなど教え子の危機感とやる気を痛感。だからこそ多くは語らず健康第一−の年賀状を送った。

　その松井は「今年はあまりいい成績とはいえないけど、初めて移籍していい経験になった。それを来年、いい形でつなげたい」と語気を強めた。メジャー３球団目でのプレーとなる今季は、背番号「５５」にとってまさに正念場。恩師の言葉を胸に必ずや期待に応えてくれるに違いない。　（田嶋豊）