ルセフ新大統領が就任＝貧困撲滅、経済発展を公約―ブラジル

　【サンパウロ時事】ブラジル初の女性元首、ジルマ・ルセフ新大統領（６３）の就任式が１日、首都ブラジリアで行われた。連邦議会で演説したルセフ氏は「貧困撲滅、すべての人の機会創出のために闘う」と述べ、経済・社会発展や国民の生活向上に尽くす意向を強調した。

　退任直前でも支持率が８割を超えたルラ前大統領の下で官房長官を務めたルセフ氏は昨年１０月、ルラ氏の強力な後ろ盾で当選した。就任演説では「ルラ政権がもたらした変化、実績を深化させる」と政策継承を公約。物価安定や税制改革による経済成長、２０１４年サッカー・ワールドカップ（Ｗ杯）や１６年五輪開催を見通した治安改善を重点課題に挙げた。

　ルラ前政権はイラン核問題の仲介などで欧米諸国と敵対する国とも友好を保つ「独自外交」を目指し、国際的影響力の強化につながった。ルセフ氏は「内政不干渉、多国主義や人権擁護などブラジル外交の伝統を踏襲していく」と語った。

　就任式には中南米各国の元首やクリントン米国務長官、日本政府特使の麻生太郎元首相らが出席した。　

［時事通信社］