新興国に押される韓国中小企業、打開策はあるのか(上)

 京畿道安山市で産業機械用の精密制御部品を生産しているヨングァン産電は今年、インド企業への輸出契約が交渉の最終段階でキャンセルされた。台湾企業が割り込み、25%以上安い価格を提示したため、取引先が態度を変えた。ヨングァン産電幹部は「月15万ドル(約1260万円)の契約だったが、出荷量を増やして年3000万ドル(約25億1000万円)の輸出になることも期待していた大型案件だった。中国に工場を持つ台湾企業が安値を押し通したために、契約そのものが実現しなかった」と悔やんだ。

 「輸出韓国」を支える中小企業が海外市場で苦戦している。今年の韓国の輸出は先月までに過去最高の4243億ドル(約35兆5200億円)に達するとみられるが、中小企業の比率は低下を続けている。

 韓国貿易協会が最近実施した調査によると、2003年に韓国の輸出全体の53.1%を占めた中小企業の割合は、08年には38.8%にまで低下した。これまで輸出市場で「韓国号」を率いてきた中小企業の成長の場は閉ざされてきている。

■開発途上国に押される中小企業

 年商1000億ウォン(約72億円)台のデジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)メーカーI社は、今年の輸出が売上高全体の60%に低下すると予想している。輸出が売上高の90%以上を占めていた2-3年前に比べると、事実上内需企業へと様変わりした格好だ。同社関係者は「中国、インド、台湾企業が低価格を武器に海外市場で勢力を伸ばしている。高価格の製品主体に戦略を転換し、輸出を再び増やすことが急務だが、容易ではない」と話した。

 韓国の中小企業が外国の割安な製品に押され、市場を奪われていることは統計からも確認できる。韓国貿易協会によると、2004-08年に韓国は21品目で世界シェア1位から陥落した。特に20品目ではその座を中国企業に奪われた。

 タワークレーンや掘削機などの建設用重機を輸出するインテックE&G技建は、昨年と今年の輸出実績が以前の半分以下に落ち込んだ。06-07年には年間200億ドル(約1兆6700億円)の輸出を記録したが、金融危機以降、世界の建設景気が落ち込み、業績が悪化した。

 同社のキム・チュンウ社長は「以前は韓国のまねをしていた中国企業が最近はわれわれよりも優れた製品を安価で生産しており、冷や汗の連続だ」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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