編集部ブログ
ニュース

2010年3月 3日(水曜日)

1月に改正された著作権法のダウンロード違法化とは何か?

著作権法のダウンロード違法化とは何か? 昨年6月に改正された著作権法が、今年の1月1日から施行された。この改正で気をつけるべきは、違法ファイルのダウンロードが禁止されたことだ。ファイル交換ソフトやケータイの違法着うたサイトを利用すれば、著作権者の許可を得ていない音楽や映像のファイルが容易に入手できる。著作権者の許可を得ずにファイルをアップロードする行為は禁じられていて、実際に逮捕者も出ている。

 しかし、違法ファイルのダウンロード自体は、これまで私的利用の範囲内では違法ではなかった。これが今回の法改正によって、明確な違法行為と規定されている。

 このような法律ができたからといって、ネットの利用を過度に怖がる必要はない。

 まず、違法ファイルのダウンロードには罰則がなく、ファイルを違法なものと知らないでダウンロードした場合は、違法とはならない。そのため、明らかに違法なものと知ってファイルをダウンロードしなければ、突然逮捕されることはないようだ。

 注意したいのはこの法律を逆手に取った詐欺行為。文化庁では、違法ファイルのダウンロードを理由に損害賠償の支払請求を求める、「振り込め詐欺」のような悪徳業者が現れる可能性があるとして、注意を呼び掛けている。
文化庁の著作権制度に関する情報ページ

 その他、この法改正に関して、著作権にくわしい弁護士に話を聞き、下にまとめた。正しい知識があれば、何も恐れることはない。

●何が違法になったの?
著作権者の許可を得ずにインターネット上にアップロードされた映像と音楽のファイルをダウンロードすることが禁じられた。映像と音楽に限定されているが、それらを含むアプリケーションやゲームソフトも違法とする意見がある。

●ファイルが違法か合法かわからない
今回の法改正ではファイルが明確に違法だとわかっていてダウンロードした場合のみを、違法としている。ネット上のリンクを何気なくクリックしたら、違法ファイルがダウンロードされていた、というような場合は問題がない。

●違法ファイルをダウンロードすると逮捕されるの?
違法ファイルのダウンロード自体に罰則が設けられてないため、これを理由に警察が捜査をする可能性は極めて少ない。そのため、突然逮捕されたり、家宅捜索などでパソコンの中身を調べられることもまずないと考えていい。

●損害賠償の恐れは?
罰則はなくとも違法行為には違いないため、損害賠償の裁判を起こされれば不利になる。ただし、文化庁では、賠償請求の前に事前の警告をするように権利者団体に指導しているため、突然の請求は、逆に詐欺の可能性を疑ったほうがいい。

●動画共有サイトの利用はダメ?
たとえ動画共有サイトに登録されている映像自体が違法なものでも、それを見ること自体は禁じられていない。動画共有サイト上の違法な映像を、ウェブブラウザー以外のダウンロードソフトなどで入手すれば、違法行為になる可能性が高い。

●ファイル共有ソフトの利用はダメ?
ファイル共有ソフトで違法ファイルを入手すれば違法の可能性が高い。また、ファイル共有ソフトの多くは、ファイルをダウンロードすると自動的にアップロード状態にする。違法アップロード行為となり、罰則があり逮捕される可能性もある。

文●アスキー・ドットPC4月号掲載

<< 前のページへ
次のページへ >>