東西約20キロにわたって約600台の車が立ち往生している鳥取県の国道9号上空を1日午前、本社ヘリで取材した。片側1車線の国道には車列が延々と続き、車のタイヤが埋まるほどの積雪。除雪車数台が作業を続けていたが、上下の車線とも車が立ち往生している区間もあり、作業は難航しそうに見えた。
午前10時20分ごろから強風で白波が立つ日本海沿いに、鳥取県中部の鳥取砂丘近くから国道上空を西に向かった。記録的な大雪に見舞われた一帯は一面の雪景色。国道の南側を並行して走るJR山陰線は積雪で線路が見えず、八橋駅には列車2両がホームの高さほどの雪に埋もれる形で停車していた。
国道では、鳥取県警や消防、自衛隊などの車両が、除雪作業のほか、燃料や食料の配給をしていた。ただ渋滞区間があまりに長く、救援活動が行き渡っていないと思われる区間もある。ドライバーらが車を降り、徒歩で移動したり、車の周囲に積もった雪をかく人の姿があちこちで見られた。
普段なら抜け道になるような脇道は数十センチ以上の雪が積もっていて、とても通行できない。またUターンしようとして反対車線に積もった雪に行く手を阻まれ、車線をふさぐ形で立ち往生する車もあった。今は除雪車の作業が進むのを待つしかないのが現状だ。【稲垣淳】
毎日新聞 2011年1月1日 15時31分(最終更新 1月1日 16時28分)