酒類・飲料市場:日本企業が相次ぎ韓国進出

 日本の代表的なビールメーカーといえば、アサヒ、キリン、サントリー、サッポロが挙げられる。このうちサントリーは最近、韓国でOBビールの販売網を通じ商品を飲食店に供給し、今年からは一般家庭向けにも販売する予定だ。サッポロも昨年11月、毎日乳業と契約を結んだ。アサヒは既に2004年、ロッテ七星と合弁会社(ロッテアサヒ酒類)を設立し、韓国に進出している。日本の4大メーカーのうち3社が韓国市場に上陸し、競争を繰り広げているというわけだ。

 日本企業が韓国に相次いで進出する理由は十分にある。韓国の酒類・飲料市場が、日本に門戸を大きく開いており、日本メーカー各社がこれを、「時機到来」と判断した可能性が高い。

 まずはアルコール類。今のところ、韓国が日本に輸出するマッコリ(韓国式濁り酒)や焼酎の方がはるかに多いものの、日本からのアルコール輸入の増加速度も想像以上に速い。昨年11月までに韓国が日本から輸入したビールの量は7638トンに上り、ここ10年で18倍に増えた。ロッテアサヒ酒類の売り上げも、07年の221億ウォン(現在のレートで約16億円、以下同)から、一昨年は462億ウォン(約34億円)へと2倍以上にアップした。

 日本から輸入される清酒の販売も増加が著しい。2000年の時点で、日本からの清酒の輸入量は104トンだったが、昨年(11月まで)はこの26倍に当たる2742トンに達した。この10年間で、増加傾向が低迷したことは一度もない。

 こうした背景には、韓国の酒類の質の低さがある。ハイトビールとOBビールが市場を二分しているため、製品の多様性に欠けている。つまり、韓国のビールは、韓国国内の消費者の味覚を満足させられないということだ。実際に、ビールメーカーはこれまで、「装置産業」の条件を満たせなければ製造できないという規定があった。だがようやくこの基準を緩和する改正酒税法施行令が公布される予定だ。数十年間にわたり、ビールメーカーは「地に手を着いて泳ぐ」ように、楽な商売をしてきたというわけだ。

 飲料に関しても同様に、韓国人が飲む飲料の中には、日本メーカーのアイデアやパッケージ、名前を模倣した疑いのある類似商品が多い。

 日本でよく売れている牛乳に、「おいしい牛乳」がある。明治乳業が同商品を発売したのは02年で、森永乳業からは03年に発売された。そして韓国の南陽乳業は、04年8月に「マシンヌン(韓国語で『おいしい』)牛乳」を発売した。

 日本にはアサヒ飲料の「十六茶」があるが、南陽乳業の「十七茶」はその後に発売された。また、日本で「アミノサプリ」が出た後、韓国では「アミノアップ」が出た。カゴメの「野菜生活100」と、韓国ヤクルトの「一日野菜」も、似たようなケースだ。

 これらの商品について各メーカーは、当然「まねたわけではない」と説明している。ところがこうした弁解は、商品の基本的アイデアだけでなく、ひどい場合には類似したパッケージまでを見ると、信頼性に欠ける。そのため消費者からは独創的に開発せず、日本メーカーの後追いばかりしているという批判を受けているわけだ。

 日本の飲料の直接輸入も、既に大々的に行われている。ペットボトル入りのお茶など、非炭酸飲料の日本からの輸入量は、2000年には5トンだったが、昨年(11月まで)は1062トンに達した。わずか10年で212倍に増加し、昨年1年間と比べると34%増となっている。

鄭晟鎮(チョン・ソンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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