【コラム】犯罪の背後関係ばかり問題視する左翼(上)

 民主党など野党4党や運動圏(民主化運動に従事した人たち)の市民団体は先月、竜山爆発惨事に関与したデモ参加者らに対し大法院(最高裁)が有罪判決を下したことを受け、合同記者会見を開いた。彼らはその席で、「撤去民たちは、開発という名の下に一晩で生活の基盤を奪われ、その悔しさを訴えてきた。ところが検察と警察は彼らの叫びを無視し、残忍な公権力を行使して彼らを死に追いやった。このような惨事の本質から目を背け、撤去民たちにすべての罪をなすりつける大法院の判決は絶対に受け入れられない」と主張した。

 事件当時、デモ参加者たちは建物を違法に占拠し、屋上から火炎びん200本以上、塩酸の入ったびん40本以上を、一般の車や通行人が行き交う通りに向かって投げつけた。警察がこれを鎮圧しようとすると、引火性物質をまき、そこに火炎びんを投げ込んで火災が発生、建物の中に立てこもっていた5人と警察官1人が死亡した。しかし会見に臨んだ政党や団体は、このような事実関係については一言も触れなかった。

 仁川市長でもある宋永吉(ソン・ヨンギル)民主党最高委員は、哨戒艦「天安」沈没事件の直後の4月初めに国会で演説し、「もし天安がわが国の領海で攻撃を受けたのなら、内閣が総辞職すべきほどの、安全保障における重大事件だ」と主張した。しかし「天安が攻撃を受けたのなら」という前提条件をつける前に、宋最高委員は北朝鮮を非難すべきだ。天安を攻撃して韓国軍の将兵46人の命を奪った事実が明確になっている以上、北朝鮮に謝罪と再発防止を求め、その上で政府の対応を追求するのが筋だ。ところが宋最高委員は北朝鮮を一切非難せず、むしろ韓国政府の対北朝鮮政策を集中攻撃した。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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