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スポーツ報知大阪版>コラム>辛坊治郎のこれでいいんかい!?

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「大麻騒動」修羅は戦場だけでなく、日常の中にもあるのです

 海老蔵にすっかり飽きていた芸能マスコミに火をつけた先週の「大麻騒動」くらい、見ていて心が痛むニュースはありませんでした。大桃美代子VS麻木久仁子、略して「大麻」騒動です。心が痛む理由は、当事者全員を直接、間接に知っている点。もう一つは、男にとってはいきなり後ろから殴られたような話じゃないか、と思うからです。

 APF通信社の山路徹代表は、業界でも女性にモテることで有名でした。細身で長い脚、49歳という年齢に関わらず腹は出ていません。実際に会うと「おー、男前」と、嫉妬の炎を燃やす業界関係者が多かったんです。

 その上、彼は女性を前にすると熱くドキュメンタリー論などを語り出すのです。そりゃあ、ジャーナリズムの世界に憧れるインテリ女性などはイチコロですね。この点、大阪・京橋の繁華街事情を熱く語る私などまったく太刀打ちできません。さらに、麻木さんに記者会見でばらされましたが、家賃を女性に頼るような「だめんず」が母性本能をくすぐるのですね。

 このニュースを聞いていた某局のYプロデューサーが遠い目をしてこう言いました。「僕、学生時代に女性と下宿にいる時、彼女に踏み込まれたことがあるんです。それから延々6時間、目の前で2人の対決が始まったんですが、私が何か言おうとすると『あんたは黙ってろ!』と言われて。結局、2人で『お前(Y氏)が最低!』という結論に達して、部屋を出て行きました」

 まあ、自業自得です。ただ、昔の妻と別れた愛人とのバトルに巻き込まれ、突然金回りの話までばらされた山路氏の心中を思いやると、悲しくて思わず笑みがこぼれます。ん? 文脈がおかしいですか。

 ただ、今回のことで一番びっくりしたのは、あの秘密主義の大桃さんが「自爆テロ」を仕掛けたことです。実はここに、ネット社会の恐ろしさがあります。昔ならこの話は、日記に書くか、せいぜい手紙にしたためていた程度でしょう。夜には誰でもロマンチストになりますから。夜書いた手紙は朝必ず読み返せ、というのが鉄則です。そうすると、顔から火が出そうになることはよくあるものです。ところが、ツイッターやブログだと書いたその瞬間、言葉は全世界に羽ばたき始めます。今回、大桃さんは夜中に書いた文章を早朝に削除したらしいですが、手遅れだったんですね。

 それにしても、先ごろミャンマーで逮捕され、即釈放された山路さんは今こう思っているかもしれません。「もう少し、拘束しておいてほしかった…」。修羅は戦場だけでなく、日常の中にもあるのです。((株)大阪綜合研究所代表)

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(2010年12月29日13時17分  スポーツ報知)

筆者略歴  辛坊 治郎(しんぼう・じろう)

1956年4月11日、鳥取県・米子市生まれ。54歳。早大法学部卒。80年、読売テレビにアナウンサーとして入社。ニューヨーク駐在員、報道局解説委員長などを歴任し、今年9月末で退社。現在はフリーキャスター、芦屋大学客員教授、自身が設立したシンクタンク「大阪綜合研究所」代表。家族は妻と2男1女。

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