HALTANの日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2010-12-31

[]笑わせるな。

(お断り)本エントリは日夜厳しい経済学専門知的研鑽=政治的アクション=切れば血の出るリアルポリティックスに命懸けで邁進されて居られる処のリフレ派(ネットリフレ派)聖戦士のみなさまを拙のような無知無教養無学世間知ド大衆ふぜいが不当に攻撃する悪質なサボタージュである畏れが在ります。よって期間限定の公開とし、11年1月7日(金)頃には削除致します。

HALTANさんに取り上げていただきました。

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20101229/p1

諸般の事情により期間限定のエントリとなるそうですので引用は控えますが、本エントリで

一部のリフレ派が「マクロ経済政策としての金融政策を論じないヤツはアフォ」と勝間氏を見限るのか、「マクロ経済を取り上げないNHKはアフォ」と雇用労働政策に議論を集中させたNHKdisるのか、どう反応されるのか興味深いところでもあります。

とした部分をサルベージしていただき感謝いたします。その結果は後者だったようで、まあ、ある意味予想どおりではあります。勝間氏という強力な情報発信源を失うより、テレビ局の姿勢を批判した方が一部のリフレ派の方々にとっては痛手が少ないと判断されたのでしょう。

私のように緩やかにリフレーション政策を支持する者からすれば、そうしたマスコミへの攻撃は、マスコミの偏向を所与のものとしてしまっている時点で、どうしたらそのような偏向を修正することができるのかという議論へ向かう契機を削いでしまって、結局のところ現状は何も変わらないという結果を招いているようにも思います。

一部のリフレ派の方々は、「いや、マスコミの中でもリフレ派の考え方が浸透してきている」とか「リフレ派もテレビに出るようになった」とかいうのかもしれませんが、それが現実の政策として実現していないという事実の前には無力な抗弁ではないかと思います。私の理解するリフレーション政策の目的は、マスコミの偏向の修正や、ヘタレ人文系の意識を啓蒙することに留まるものではなく、現実に厳しい生活を余儀なくされている方々に対する流動性の供給にあるはずですから。

この点、本エントリでは明記しませんでしたが、マンデルの定理やティンバーゲンの定理によれば、社会全体の流動性選好を修正して、特に流動性制約の厳しい家計に流動性を供給する効果が期待されるリフレーション政策は、その目的にのみ割り当てられるものであるはずです。したがって、本エントリで取り上げたような若年者の労働市場への円滑な参入という個別の政策課題については、それに応じたミクロな個別の制度設計が必要となります。

確かに若年者雇用は景気の波をもろに受けるものではありますが、では過去の好況のときは新卒の売り手市場で日本的雇用慣行が万全のものであったかというと、必ずしもそうではなかったわけです。男性正規労働者が家計を支え、妻や子はパートやアルバイトで家計を補助するというモデル的な家族が前提となっているからこそ、正規労働者雇用が保護されているのであって、その裏返しとして、大企業正規雇用者以外の中小・零細企業の正規労働者非正規労働者はクビを切られても変更解約告知を受けても文句もいえません。そもそも、モデル的な家族構成を構築できない個人はまともに生活することすらできないという日本の小さすぎる再分配政策と併せて、それを補完してきた日本的雇用慣行についても、労働市場への入口から出口までをトータルに見据えながら不断に修正していく必要があります。

ところが、一部のドマクロで市場効率化最優先なリフレ派にとってみれば、「そんな七面倒くさいことしなくたって、解雇規制を撤廃すれば労働市場が流動化して最適な均衡点がもたらされるし、リフレして景気が回復すればいくらでも就職する口はあるよ」とおっしゃるのでしょうし、そこで上記のような話をすると、「雇用を規制したり公的職業教育を推進するなんて、官僚既得権益に取り込まれたアフォなヤツ」と、「リフレ派を批判するなんてデフレを賞賛する基地外め」と、口を極めて罵られるので、個人的にはどうしても「リフレ派」と呼ばれる方々とおいそれと与するわけにはいかないと考えてしまうのです。

2010/12/30(木) 09:24:01 | URL | マシナリ #-[ 編集]

はてブでちょっと気になるコメントがあったので補足いたします。

Nihonjin 「素人の浅薄な正義感」は困ったものかもしれないが、文章がまずい。「解雇」の話も、核心ではなく言葉の些細な違いをネチネチと攻撃しても無意味。自分の土俵で戦うのはありだが、これはいやらしいだけと思った。 2010/12/30

http://b.hatena.ne.jp/entry/sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-433.html

労働問題が自分の土俵かといわれると正直どうかなと思わないではありませんが、まあ「労働」カテゴリを置いているくらいですから、拙ブログの主要な関心領域ではあります。しかし、その「土俵」に素人丸出しで上がってきたのは勝間氏やキャンベル教授の方であって、その主張を実務上の用語法に当てはめるとこんな変なことになりますよと示してみたのが本エントリの後半の趣旨です。

確かにいやらしいやり方かもしれませんが、天使とか悪魔は細部に宿るそうなので、細かいところをネチネチと突っついてみたという事情をご理解いただけると幸いです。

2010/12/30(木) 10:07:50 | URL | マシナリ #-[ 編集]

http://sonicbrew.blog55.fc2.com/blog-entry-433.html

・・・まず、実はリフレ派(ネットリフレ派)のみなさまもマシナリさんの仰っている↓

本エントリで取り上げたような若年者の労働市場への円滑な参入という個別の政策課題については、それに応じたミクロな個別の制度設計が必要となります。

確かに若年者雇用は景気の波をもろに受けるものではありますが、では過去の好況のときは新卒の売り手市場で日本的雇用慣行が万全のものであったかというと、必ずしもそうではなかったわけです。男性正規労働者が家計を支え、妻や子はパートやアルバイトで家計を補助するというモデル的な家族が前提となっているからこそ、正規労働者雇用が保護されているのであって、その裏返しとして、大企業正規雇用者以外の中小・零細企業の正規労働者非正規労働者はクビを切られても変更解約告知を受けても文句もいえません。そもそも、モデル的な家族構成を構築できない個人はまともに生活することすらできないという日本の小さすぎる再分配政策と併せて、それを補完してきた日本的雇用慣行についても、労働市場への入口から出口までをトータルに見据えながら不断に修正していく必要があります。

という現状認識については、とくに異論は無いんじゃないですか? 処が、

⇒「市場効率化最優先」市場が便利に使うべき環境・ツールではなく「我々は市場に従う『べき』」という教義になっているが為、少しでもそれに反するかのような「制度」「規制」に与することが出来ない。

⇒何故か、少しでもパブリックセクターを擁護するような主張や政策は猛烈に否定される。

・・・が為、

繊細な個別レベルでの議論となるとリフレ派(ネットリフレ派)のみなさまは実際にはほぼ無能という事態になってしまうのでしょうね。

もちろんそれでも大枠でリフレ派(ネットリフレ派)のみなさまの御尽力の賜で「リフレ」「経済成長」が実現されればそれはそれでいいのですが、現実には現在のリフレ派(ネットリフレ派)≒シノドスみんなの党別働隊の方々にはそれさえ成し遂げる力は無さそうです。

■いっけんクリアカットのようだが、所詮は「べき」論で繊細な個別レベルでの議論にはほぼ無能。

■大枠の「リフレ」「経済成長」を実現させる力も無い。

・・・リフレ派(ネットリフレ派)って何なんでしょうね?

私のように緩やかにリフレーション政策を支持する者からすれば、そうしたマスコミへの攻撃は、マスコミの偏向を所与のものとしてしまっている時点で、どうしたらそのような偏向を修正することができるのかという議論へ向かう契機を削いでしまって、結局のところ現状は何も変わらないという結果を招いているようにも思います。

一部のリフレ派の方々は、「いや、マスコミの中でもリフレ派の考え方が浸透してきている」とか「リフレ派もテレビに出るようになった」とかいうのかもしれませんが、それが現実の政策として実現していないという事実の前には無力な抗弁ではないかと思います。私の理解するリフレーション政策の目的は、マスコミの偏向の修正や、ヘタレ人文系の意識を啓蒙することに留まるものではなく、現実に厳しい生活を余儀なくされている方々に対する流動性の供給にあるはずですから。

この辺は深く突っ込みだすとキリがありませんが・・・。

リフレ派もテレビに出るようになった」それは例えば高橋洋一さんのような方はTV報道エンタテインメント的にはパブリックセクター攻撃に便利だから需要されているに過ぎないのが現実ですね。ただ高橋さんも内心では「リフレ」なんか既にやる気は無いと思いますよ。少なくともツイッターを拝見する限りでは高橋さんは何時も万事に他人事ですから↓

自らも既に政界・ジャーナリズム・TV芸能界のインナーサークルの「プレイヤー」の一員であらせられる方がにも関わらずまるで他人事のように政治家や「テレ朝」の「田原さん」やTVニュースや「某テレビ番組」の「某有名コメンテーター」を「上から目線」で揶揄するという光景にも失望の念を抱かざるを得ない

2010-12-30■[無題]日夜厳しい経済学専門知的研鑽=政治的アクション=切れば血の出るリアルポリティックスに命懸けで邁進されて居られる処のリフレ派(ネットリフレ派)聖戦士のみなさまへid:HALTAN:20101230:p1

・・・恐らく本音では高橋さんは既にやる気は無いんです。御本人はとっくに「大学教授」「執筆家」「TV・講演タレント」「たまに政治家の相談役」、、、という地位に安住されてしまっている。

これでどうして「リフレ」が出来るんですか? これでどうして「経済成長」が出来るんですか?

結局、リフレ派(ネットリフレ派)は「経済学」の専門家(あるいは半可通)ではあるが、それを具体的にどう動かしていくか? は全く考えていないし、考える気もないんだよ。

ひたすら「上から目線」で「愚民どもは日本を救う経済学聖戦士!⇒我らリフレ派(ネットリフレ派)に従え!」と喚き散らすだけ。もちろん大学の教壇の上に居る際は「マジメに勉強しろよ」だけでいいかもしれない。ロクな答案も書けないアホは単位を落とせばそれで済むからだ。

但し、「政治」や「世間知」が相手では、そうはいかない。スローガンの布教だけでは自ずと限界が在る。また日銀霞が関を「悪の組織」と指弾するだけでは『そこまで言って委員会』と何処が違うのか?

・・・これで「政治的アクション」「リアルポリティックス」か、笑わせるな。

2010-12-29■[無題]リフレ派(ネットリフレ派)の政治的アクション=切れば血の出るリアルポリティックスとは?id:HALTAN:20101229:p1

・・・結局、こういう事だったのだ↓

2010-06-20■「リフレ派」は何をやってるんだろう

・巷にあふれるトンデモ経済本と見かけ上大差ないチープな論争本の量産。ターゲットの一般人にはその質が他とどう異なっているのか判断しようがない

クルーグマンスティグリッツが・・・・・・、とお馴染みの名前の列挙。それはいいけどなぜ海外のジャーナルに査読論文を載せたり、そういう大御所たちと直接意見交換したり、自分たちの権威をアップさせるような実績を積まないのか

ツイッターで公開内輪悪口大会、被害妄想陰謀論終末論の嵐

・友敵区別の過激化。カンタンな行き違いで「敵」認定して常軌を逸した罵倒の嵐

この局面で、ファナティックな先鋭カルト集団化への道を自分たちで選んで突き進んでおいて、「リフレ派が世間に受け容れられない」とか自己憐憫に浸るのは、ちょっと違うだろとしか言いようがない。

http://anond.hatelabo.jp/20100620093154

私のような無知無教養無学世間知ド大衆ふぜいに言わせれば、リフレ派(ネットリフレ派)は経済学に期待し過ぎているのだ。いや正確に言えば「経済学の啓蒙」「経済学的スローガンの布教」に期待し過ぎているのだと思う。だからいっけんクリアカットなようでいて、肝心の「現実」に対処できないのだ↓

しかし西東京市議選の票の出具合をみると民主党はこれは壊滅的な支持基盤の喪失だね。政策をきちんと研究していなかったつけにしか僕には思えないね

2:04 AM Dec 27th webから7人がリツイートhidetomitanaka田中秀臣

http://twitter.com/hidetomitanaka/status/19076138630385664

いや、仮に民主党が「リフレ」を訴えて09年の衆院選を戦ったにせよ、「リフレ」それ自体では勝てなかったか、あるいは実行段階で潰された可能性が高かったと思いますがねえ・・・。1990年代以降の日本で「景気対策」「経済成長」が不可能になったのは別に一般有権者政治家日銀経済学無能に依るのではないからです。それを言えば昔だって別にみんなそこまで経済学に造詣が深いわけではありませんでした。それでも結果オーライで行われていた「景気対策」「イノベーション」が1990年代以降は機能しなくなっただけのこと↓

個人的には私は現在の日本では「リフレ」も「経済成長」ももう無理なんだと既に悲観しています。別に「ゼロ成長の甘受論」で言ってるわけじゃなくて(以下は拙ブログでは前から書いてますが)↓

⇒日本人の総インフレ嫌いを地上波TVを中心にしたジャーナリズムが総掛かりで増幅するこの現実に対し、一切の為す術が無くなっている↓

TVも新聞も気分だけで「不況だ、何とかしろ!」と政治に要求だけして、じゃあ実際に少しでもインフレになると今度もまた気分だけで「庶民を殺す気か、何とかしろ!」なんだから。そんな繰り返しをもう約20年間もやってるんだから。

この現実に対しTVによく出ているらしい高橋洋一さんは具体的に何かしているんですか? 猪瀬直樹さんはどうですか? 

⇒「都市⇔地方」間の労働力移動に伴う都市=過密 地方=過疎 の二重の問題に対し、誰も何の具体策も出せていない。過去の東京においてなぜ「美濃部都政(1967〜)」「青島都政(1995〜)」は誕生したのか? リフレ派(ネットリフレ派)は歴史に対して余りに無知である↓

好景気時ほど都会・市街地に労働力が移動するトレンドは激化する(現在のような不況時は実はそうでもない)

加えてリフレ派(ネットリフレ派)は田舎にもうカネは撒くなと言っているようですが、

田舎へのバラマキが減る?

必然的に都会に労働力が大移動する。

田舎は経済弱者(主に高齢者と都会への転職・転居困難者)だけが残り、都会はバブる。

都会=過密の不満 田舎=過疎の不満 の二重の不満が極限まで拡大する。

・・・リフレ派(ネットリフレ派)の説く「田舎へのバラ撒き全廃」+「リフレ」↓

高度経済成長は復活できる (文春新書)

高度経済成長は復活できる (文春新書)

・・・など、現状では机上の空論と言わざるを得ない。

id:HALTAN:20101229:p1

・・・「べき論=机上の空論」を何時までも訴え続けて居れば「リフレ」「経済成長」は実現するのか?

笑わせるな。

(追記)

machineryさんのように、経済政策論としては広い意味でのリフレ派に属するにもかかわらず、ネットリフレ派の行状のために、その批判派に転じた方に、一部で有名なHALTANさんがいます。

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20101229/p1(■[無題]リフレ派(ネットリフレ派)の政治的アクション=切れば血の出るリアルポリティックスとは?)

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20101230/p1(■[無題]日夜厳しい経済学専門知的研鑽=政治的アクション=切れば血の出るリアルポリティックスに命懸けで邁進されて居られる処のリフレ派(ネットリフレ派)聖戦士のみなさまへ)

http://d.hatena.ne.jp/HALTAN/20101231/p1(■[無題]笑わせるな。)

まあ、このHALTANさんの文体には人によって好みがあるでしょうから、必ずしも万人向けとは言い難いかもしれませんが、期間限定で1月6,7日には削除されるそうなので、怖いもの見たさでご覧になるのも一興かも知れません。

hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳) 心に残るブログから 2010年12月31日 (金)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-9f92.html

「一部で有名なHALTANさん」え、拙ブログは「一部で有名な」んですか? 

我ながらどんな方が読まれてるんですかね、こんなトコw

濱口さんがわざわざ御読みになられているのには驚きましたがw

「その批判派に転じた」いや、単にリフレ派(ネットリフレ派)のみなさまの目的がよく分からなくなったんですよ。とりあえずカンリョーさんたちの悪口を言う事がどうしてリフレに繋がるのかが分かりませんしね。

あとリフレ派(ネットリフレ派)のみなさまが上述「地方⇒都市」の労働力移動問題を甘く見ているのも不思議ですね。いちいちは書き出しませんが実は日本(に限らず先進国全般)の国内問題の大半は此処に繋がっていると思うのですが。

そりゃ総論としては「田舎へのバラマキを止めて都市型国家化で経済成長!」だの「自由貿易の積極化で成長を!」だの、その他何とでも言えます。もちろん私も都市型国家化や自由貿易は正しいとは思います。ただ問題はそうした「べき論」では済まない各論の方なんですがね。例えば一口に都市型国家化といっても、上述の「地方=過疎」「都市=過密」の二重の問題への対処法が無かったからこそ、かつて東京に美濃部都政・青島都政が生まれ首都圏の開発抑制が支持されたような格好になったわけです。当たり前の事ですがそこら辺のマチバの人たちが「経済学的に『正しい』」決定や政策に常に素直に従うわけでもありません(みな各々の「インセンティブ」に従って生きている以上、当然ですね)

それを「『正しい』経済学的解答に沿わないこの世間知め!」と怒鳴り散らすだけではねえ・・・。