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【全日本フィギュア】極度の緊張を乗り越え安藤が女王奪還 「自分に二重丸あげてもいいかな」
このニュースのトピックス:◇美女に夢中
曲が止まると両手を振り下ろし、どうだとばかりに右足で氷をけった。次の瞬間、安藤から会心のガッツポーズが飛び出した。「きょうは自分に二重丸をあげてもいいかな」と照れた。減点なし。失敗なし。誰もが拍手を送る完璧な演技をみせて、逆転で6年ぶりに女王の座についた。
自信はなかった。「お腹が痛くなるぐらいに緊張していた」と苦笑した。長野に入って2日間は練習でも調子が上がらず、SPでは3回転−3回転ジャンプの2本目を2回転に。とても万全とはいえない中で、最高の4分間を作り上げた。
背中を押してくれたのは客席の応援。「直前の6分間練習でお客さんの顔をみて、声を聞いて、頑張らなくちゃ、と思いました」。安藤はいつも「お客さんのために」と誓う。会場に足を運んでくれたファンへの思いが高い集中力を導いた。
今季はモロゾフ・コーチの拠点移転に伴い、ラトビアでの活動が多くなった。首都から約3時間の距離にある町で、スケートには集中できる環境が整う。自然と自分と向き合う時間は長くなり、技術、表現力ともにじっくりと“熟成”された。
「結果よりも内容が大事」という安藤は、滑走直後だというのに、課題を冷静に分析した。「もうちょっとスピードが出ていたらよかった。次の試合でよくしたい」。理想は高い。日本の女王として臨む来年の世界選手権でより理想に近づく。(榊輝朗)