多くの苦難を乗り越え“奇跡の帰還”を果たした、小惑星探査機「はやぶさ」の快挙を再び目にすることができるかどうか、3年後の打ち上げを目指して後継機の開発がことしから本格的に始まります。
はやぶさの後継機は、小惑星「イトカワ」から砂を持ち帰るという世界で初めての快挙に続き、今度は生命の起源に迫ろうと、有機物や水を多く含む別の小惑星がターゲットです。地球と小惑星との軌道の関係で、2014年と15年に来る、打ち上げのチャンスを逃すと、次は10年近くあとになるため、国は、後継機の開発に着手することを決め、新年度の予算案で要求どおり30億円を盛り込みました。これを受けて、宇宙航空研究開発機構は、3年後の2014年の打ち上げを目指して詳細な設計に入ることになり、ことし後半には機体の製造を始めたい考えです。計画では、はやぶさの後継機は、打ち上げから4年後に小惑星に到達して岩石を採取し、2020年に地球に帰還するということで、宇宙航空研究開発機構の吉川真准教授は「はやぶさが世界に先駆けて切り開いた小惑星との往復探査をさらに発展させ、生命の起源の解明という新たな可能性に挑戦したい」と話しています。