中国新聞LEADERS倶楽部
2011年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る。

定時・速達性で都市機能を向上

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代表取締役社長
越智 秀信氏
(おち ひでのぶ)

―路面電車はまちのシンボルです。

お客さまの利便性を一層高めるため、長年の懸案であるJR広島駅前大通りの整備計画を進めています。広島市は2011年3月末までに駅南口広場再整備の基本方針をまとめる予定です。それを受けて当社では11年度は実現可能性の調査や関係機関と調整し、実施計画を策定します。16、17年の運行開始を目指しています。

―ICカードシステム「PASPY」もずいぶん浸透しました。

より便利にお使いいただけるよう、10年11月、チャージ機をシャレオ中央広場、福屋八丁堀店・駅前店に設置しました。今月中に紙屋町の東西電停にも備え付けます。

車掌がいない扉からも乗降できる路面電車の「信用乗車方式」の社会実験も行います。11年度から何年かかけて繰り返し社会実験し、乗降時の安全対策や運賃収受の確実性などの課題を探ります。

―紙屋町交差点に面した好立地に高層ビルを建設中です。

地上14階地下2階建ての再開発ビルは11月末に完成の予定です。下層部に商業施設を配し、地下街「シャレオ」と接続して、さらなるにぎわいを創出しますので期待してください。

このほか不動産事業では、広島市の西風新都で石内東地区(佐伯区)の約82ヘクタールを、一戸建て住宅320戸、集合住宅408戸、大規模商業施設などを擁する複合団地として整備する予定です。11年度内に造成工事に着手し、15年の完成を目指します。

―傘下に計20社があります。

広島の広域観光をアピールするため今月、路面電車をはじめ、バス、船、ロープウエー乗車券をセットにした割引チケットを発売します。外国からのお客さまにも利用していただけるよう、これらと宿泊を組み合わせたパッケージ商品をインターネットで販売します。

―就任から半年です。

軌道交通が線ではなく面で機能することによって街全体が発展します。公共交通を担う企業として、定時性・速達性を向上させ都市機能を高めていきます。次世代に有益なものを、いかに残せるか。明日の広島が今日よりも良くなると実感できる事業を進めます。当社は12年に路面電車開業100年を迎えます。あらゆる変化にいち早く対応し、広島の人・街・未来に貢献する企業であり続けるよう努めます。

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広電本社ビル
会社概要
社名広島電鉄株式会社
所在地〒730-8610
広島市中区東千田町2丁目9-29
TEL082(242)3521
設立1942年4月
事業内容鉄・軌道事業、自動車事業、不動産事業
資本金23億3562万円
売上高163億4895万円(2010年3月期)
従業員数1302人(2010年3月現在)
関連会社広電不動産、広電ストア、広電建設、広電観光、広電宮島ガーデン、宮島松大汽船、ヒロデンプラザ、グリーンバーズ・ヒロデン、ホテルニューヒロデンなど計20社
ホームページhttp://www.hiroden.co.jp/