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「広島ジャーナリスト」を復刊

2010年12月30日

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「内容は盛りだくさんです」と話す浅川泰生さん(右)と沢田正さん=広島市中区加古町の日本ジャーナリスト会議広島支部

県内の新聞・通信社、テレビ局の記者OBらでつくる日本ジャーナリスト会議広島支部が、機関誌「広島ジャーナリスト」を復刊した。休刊は30年近く前。出版不況や活字離れと状況は悪くなるばかりだが、「広島の言論の方向性がわかる媒体にしていきたい」と編集陣は意気盛んだ。(加戸靖史)
 15日発売の第3号はB5判98ページ。40ページ弱を広島市の2020年夏季五輪構想への批判的検証にさいた。秋葉忠利市長と市議55人に送った公開質問書に対する市と市議43人の回答全文を掲載。市が10月に各区で開いた説明会での主なやりとりも載せた。さらに現役・OB記者による座談会や有識者3人の寄稿で、「核廃絶」を掲げた広島五輪の理念や、事業費のうち1千億円近くを寄付で募るとする市の手法への疑問点を洗い出した。
 広島ジャーナリストは同支部発足の1967年に創刊。不定期刊で広島やマスコミ、時事問題を取り上げてきたが、支部の活動が低迷した80年代に発行が途絶えていた。
 復刊に尽力した沢田正さん(61)は前共同通信広島支局長。70年代初めに広島在勤の友人から広島ジャーナリストを送ってもらい、「いい仕事をしてるなあ」と感銘したことが忘れられないという。
 元中国新聞記者で、紙面編集の経験が豊富な浅川泰生(やす・お)さん(61)が昨秋の定年退職後に支部に加わったことで、復刊構想が一挙に具体化。浅川さんが編集長、沢田さんら6人が中心スタッフとなり、今年7月に第1号、9月に第2号を刊行した。
 新聞紙上やテレビでは難しい長文の記事を積極的に載せているのが特色だ。「書きたいだけ書ける場があるというメリットは大きいと思う」と浅川さん。沢田さんは「記者が所属する企業の枠を超え、意見をたたかわせることが、ジャーナリズムの質を高めることになる」と期待する。
 今後も原則3カ月おきに発行。若手記者に加え、休刊前と同様、有識者や市民運動家らにも寄稿を呼びかけていくつもりだ。「平和、人権、民主主義……。ジャーナリズムが取り組むべきテーマはすべて取り上げたい」と沢田さんが言えば、浅川さんは「マスメディアとミニコミ紙の中間の『ミドルメディア』になりたい」と理想を描く。
 1部500円。広島市内のフタバ図書や紀伊国屋書店などが取り扱う。定期購読は4号で送料込み2500円。問い合わせはファクスかメールで日本ジャーナリスト会議広島支部(082・243・4203 hiro9@opal.plala.or.jp)へ。

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