不審火で焼失した広島市南区西本浦町の邇保姫(にほひめ)神社の拝殿が、寄せられた浄財などにより再建された。30日に氏子たちが近くの氏子会館にあるご神体を、拝殿奥の仮神殿に返す「遷座祭(せんざさい)」を開く。
拝殿は、鉄骨一部木造で広さ約250平方メートル、高さ約12メートルの入り母屋造り。焼失前約1メートルあった床下部分をなくしたため、入り口と地面の段差はない。壁などには不燃性素材を使用。境内に4台あった防犯カメラを倍増し、放火などに備える。
邇保姫神社は2007年9月、市の被爆建物に登録された本殿や拝殿などが不審火により全焼。再建に向けて08年4月、氏子たちが「邇保姫神社復興造営事業奉賛会」を結成し、再建費用約5億3千万円のうち、約5億円を集めた。
「遷座祭」は30日午後6時から、神社の神職や氏子たち約300人が、たいまつやちょうちんで照らしながら唐櫃(からひつ)に入ったご神体を神社内の仮神殿に運ぶ。
【写真説明】火災で焼失し、再建された邇保姫神社の拝殿
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