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答えは対話の中に、教えずに教える 白熱教室から(1/3ページ)

2011年1月1日5時0分

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【動画】貴船小学校の授業風景

写真:意見を発表する貴船小6年1組の子どもたち。菊池省三先生は後ろで見守っていた=昨年12月3日、北九州市小倉北区、相場郁朗撮影意見を発表する貴船小6年1組の子どもたち。菊池省三先生は後ろで見守っていた=昨年12月3日、北九州市小倉北区、相場郁朗撮影

図:図1拡大図1

図:図2拡大図2

図:図3拡大図3

図:図4拡大図4

 子どもや若者のあしたへ。希望の橋を懸けたい。まず、小さな白熱教室から。

     ◇

 6年1組の国語の授業。

 黒板に、暗号のような式が書かれた。〈図1〉

 話し合いの図だ。子どもが、すぐに意味を解説する。

 「話し合いは考えを増やします。三つずつ考えを持った人同士が話し合うと、考えは六つ以上に増えていきます」

 北九州市立貴船小学校。担任の菊池省三先生(51)は、子ども同士の意見のキャッチボールで、どの子にも自信をつけさせる「カリスマ教師」だ。毎週のように参観者が訪れ、講演依頼も絶えない。

 十数年前、崩壊した学級を受け持った。「こう言ったらどう思われるか」。子どもたちは周りの反応を怖がり、思いを口にできない。

 まずスピーチを採り入れ、考えを持つ大切さと、伝える手法を教えた。次は、ディベート。賛否の立場を決め、意見をぶつけあう訓練だ。

 だが、「社会で生き抜くためには何か足りない」と思い始めた。言いっぱなしのスピーチでも、言い合いのディベートでもない。相手の意見に耳を傾け、自分のなかで消化し、新たな意見を投げかける。その繰り返しが、みんなを高め、よい人間関係につながることを伝えたい――。行き着いたのが、この授業だ。

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