桑田「恥ずかしながら帰って参りました」スタジオから復活唱…紅白歌合戦

　大みそか恒例の「第６１回ＮＨＫ紅白歌合戦」が３１日、東京・渋谷のＮＨＫホールで行われた。初期の食道がんを克服した桑田佳祐（５４）は、東京・神宮前のビクタースタジオから２曲を熱唱し、完全復活をアピール。アイドルグループ「ＡＫＢ４８」は、紅白史上最多となる総勢１３０人で登場した。６年連続で白組が勝利し、通算成績は白組の３３勝２８敗。

　桑田独特の歌声が響き渡る。術後の体重の減少も最小限。顔色、肌つやも良く、最も心配されていた「声」も、手術前と全く変わらない。昨年７月２８日の初期の食道がんの公表から約半年―。同７月４日以来１８０日ぶりの“ステージ”で完全復活を印象づけた。

　羽織はかま姿で「恥ずかしながら帰って参りました」と第一声。「こういう場だからカチンカチンにして参りました。皆様からたくさん頂いたエネルギーで、来年は新たに飛躍できたらと思う」と桑田節全開だ。リハビリ中に作り上げた新曲「それ行けベイビー！！」と「本当は怖い愛とロマンス」の２曲を選曲し、ライブ初披露した。

　中継場所はサザンオールスターズとして１９７８年にデビューして以来３２年間、慣れ親しむビクタースタジオ。「真夏の果実」「ＴＳＵＮＡＭＩ」といった数々の名曲が生み出されてきた場所で、ありったけの感謝の気持ちを９分１０秒間に込めた。

　正式オファーを受けたのは昨年１２月１０日。最終結論を出すまでの２週間は「体調が当日までに順調に回復し、私自身も自信が持てるようになれるかどうか」を思い悩んだ。だが、主治医のお墨付きをもらえたこと、最終的には「これまで背中を押し、支えてくれたファンに対する感謝の気持ち」が出演を決意させた。

　公式サイトではこの日深夜、今年の活動内容が発表された。２月２３日に９年ぶりの新アルバム「ＭＵＳＩＣＭＡＮ」を発売。闘病生活の中で「この時代に日本に生きること、音楽を奏でることの意味とは何か」をテーマに力を注いだ作品で、「君にサヨナラを」、新曲「月光の聖者達（ミスター・ムーンライト）」など１７曲が収録された。同月には地元・茅ケ崎市民文化会館（１９日）を始め、全国７か所で同作の試聴パーティー開催が決定。「新生・桑田佳祐」が２０１１年の音楽シーンを熱くしていく。