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仙台空港鉄道の客数7%増なのに… 駅広告激減、収入半減

風景やチューリップの写真など「ダミー広告」が目立つ駅構内=名取市の杜せきのした駅

 仙台空港アクセス線を運営する仙台空港鉄道(名取市)が広告料収入の低迷に苦しんでいる。本年度上半期(4〜9月)は、前年同期比の半分以下に激減した。全体収入に占める割合は1割未満と小さいが、経営悪化であらゆる増収策に力を入れる同社は、予想外の数字に頭を抱えている。

 同社によると、上半期の営業収入は3億4770万円。うち、旅客運輸収入は3億4030万円を占め、前年同期比6%増と堅調だった。
 不振を極めたのが広告料収入を含む運輸雑収入。前年同期比40%減の740万円に落ち込み、2年前に比べ半減した。特に、前年同期は1000万円以上だった広告料収入の落ち込みは深刻で、ことしは半分以下の480万円に激減した。
 主な減収要因は、2007年春のアクセス線開業時、3年契約で締結した広告がことし春に更新期を迎え、再契約を見送る企業が続出したこと。駅構内にある電照看板スペース(縦120センチ、横90センチ)は七夕などの風景写真や自社広告でしのぐケースが目立ってきた。
 杜せきのした駅構内の場合、13カ所のスペースのうち、企業広告は2カ所だけ。改札口前の目立つ場所の大型看板(縦180センチ、横120センチ)4カ所も、大型商業施設などが順次撤退した。
 同社の斎藤進社長は「開業当時は勢いがあり、宣伝効果もあった。今は他路線よりも優位性がなければスポンサーをつなぎ留めるのは難しい状況」と苦しい事情を語る。
 列車内の中づり広告もまばらだ。中づり広告の業務委託を受けるジェイアール東日本企画仙台支店は「交通広告は08年のリーマン・ショック以降全国的に減少傾向。広告を得るには乗降客数が重要で、空港鉄道の場合、今後の宅地の広がりなどに期待したい」と話す。
 明るい兆しもある。空港鉄道は開業以来3期連続の赤字を計上したが、上半期の乗降客数は前年同期比7%増の125万人。誘客イベント実施や沿線の住宅分譲に伴う人口増などが好材料となっている。
 斎藤社長は「地域と連携したイベントなどを通じ、鉄道媒体としての空港鉄道の魅力を向上させ、利用客を増やさねばならない」と力を込めた。


2010年12月30日木曜日


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