所在不明の小中生326人 ずさんな調査「ゼロ回答」も
産経新聞 1月1日(土)7時56分配信
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1年以上居所不明の小中学生の数(写真:産経新聞) |
日本国籍を持ち、住民登録されている児童生徒については、各市区町村の教委が学齢簿を作る。所在確認できず1年経過した児童生徒は学齢簿から抹消し、別の「簿冊(ぼさつ)」を作成。教委は毎年5月1日の学校基本調査で、簿冊記載の児童生徒の累計を「1年以上居所不明数」として文科省に報告することになっている。
同省によると、該当する児童生徒は、調査開始時の昭和36年は1365人(小学生696人、中学生669人)で年々減少し、47年には239人(同184人、55人)まで減った。しかし、平成3年以降は少子化で全体数が減少しているにもかかわらず、一向に減っていない。
同省学校基本調査係は「(不明児童生徒は)一家での夜逃げやDV(家庭内暴力)で身を隠したケースなどが相当し、昔から一定数はいる。統計内容を分析したことはない」とする。
実態を調べるため、本紙は昨年11〜12月、19の政令指定都市に聞き取り調査を行った。その結果、学校基本調査に正しく回答していたのは、相模原、北九州、福岡のわずか3市だった。
横浜、川崎、新潟の3市は毎年度「ゼロ」と報告。「3月末に学籍から抹消した児童生徒はいるが、5月1日時点はゼロ」としたという。このほか、「行方不明の子供は学期末に学籍を抹消するため、1年以上の所在不明はいない」(神戸市)などの回答もあった。数字を報告している札幌、仙台、千葉、大阪、堺、岡山の各市でも「就学時に所在不明で入学しなかった子供は学齢簿を作らないので、カウントしない」などとし、実態を反映していなかった。
児童福祉に詳しい子どもの虹情報研修センター(横浜市)の川崎二三彦(ふみひこ)研究部長は「学校は『去る者は追わず』の姿勢。住民票を移さずに不明になると、多くの子供が転居先で学校に通っていない可能性もある」と指摘している。(村島有紀)
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最終更新:1月1日(土)15時5分
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