新鴨緑江大橋、工事ができない冬に着工式(上)

新義州-丹東区間で両国交易の70%

中朝経済協力の実質的な第一歩

 中朝両国が12月31日に行った新鴨緑江大橋着工式は、両国経済協力の実質的な第一歩として注目されている。中国と北朝鮮はここ2-3年の間に様々な経路で経済協力について議論してきたが、目に見える形で実際に成果が現れることはほとんどなかった。昨年のはじめには豆満江下流の琿春税関と北朝鮮側税関をつなぐ橋の補修工事が行われたが、これは日本が支配していた時代に建設された古い橋を修理するものだった。

 今回、着工式が行われた新鴨緑江大橋に関しても、両国の意見の違いと不信感が大きく、実際に完成するまでには数々の課題があったと専門家はみている。今回の着工式も、2009年10月に温家宝首相が北朝鮮を訪問し、首脳同士で合意に至ってから1年2カ月が過ぎてやっと行われた。

路線などに関する意見対立は未解決

 新鴨緑江大橋がかかる北朝鮮の新義州と中国の丹東は、両国を行き交う物資の70%が往来する交易の中心ルートだ。これまで実際の物資の往来には、1910年に建設された鴨緑江鉄橋が利用されてきた。丹東と新義州の旧市街地をつなぐ鴨緑江鉄橋は、自動車用1車線と単線の鉄道線路しかないため、双方から同時に行き来することはできない。そのため人的、物的交流が拡大するに従い、この橋だけでは当然、限界が出てくる。

 中国は2000年の初めごろから新しい鴨緑江大橋の建設に向けて検討を進め、2007年には中国側が費用を負担するという条件で、新鴨緑江大橋の建設を正式に北朝鮮に提案した。両国の間でより活発な経済協力と人的交流を進めるためには、それに伴うインフラ整備が必要と訴えたのだ。しかし北朝鮮は中国の意図を疑った。丹東在住のある消息筋は、「北朝鮮は有事の際、中国軍がこの橋で自国に入る込むことや、中国が強く求める改革・開放に利用されることを心配した」と語る。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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