「強盛大国」まであと1年:副作用が予想される北朝鮮(下)

■経済大国に失敗しても「主体経済」達成?

 北朝鮮は、安定的な後継世襲を急ぐため、11年にも改革・開放はしないものと見られる。また、11年の食料生産量は380万トンから390万トン程度になると推定されるが、これは10年度より20-30万トン少ない。要約すると、2012年までに経済大国を達成できる可能性はない、という分析が支配的だ。10年に北朝鮮は、主体鉄・主体繊維・主体綿の生産をことのほか強調した。対北消息通は、「12年までに経済的成果がない場合、“人民経済の主体化”を成し遂げたという論理で“経済大国”化失敗を代替しようとするだろう」と語った。

 この過程で、北朝鮮の中国依存はより深刻化すると見込まれている。北朝鮮は10年中、主体肥料を強調しながらも、中国から28万3000トン余りの肥料を輸入した。これは、09年の輸入量(約10万5000トン)と比べると、3倍近い量だ。韓国が毎年30万トン程度支援してきた肥料は、現政権になって途絶えた。北朝鮮は10年中、中国に3億ドル(現在のレートで約243億円)相当の石炭を輸出したが、09年には中国に石炭を売っていなかった。

■軍事大国の要点「核」はさらに強化

 李明博(イ・ミョンバク)大統領は、外交通商部の新年業務報告の際、「北朝鮮は、2012年強盛大国を目標にしているため、来年(11年)は北朝鮮の核廃棄を、6カ国協議で必ず成し遂げなければならない」と語った。しかし核は、強盛大国に関する、北朝鮮政権唯一の「業績」だ。高官クラスの脱北者は、「軍事大国を象徴する核を、北朝鮮が放棄する可能性はないと思う」と語った。10年に北朝鮮は、韓国に対し露骨な「核攻撃」脅迫を行った。

アン・ヨンヒョン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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