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週刊ファミ通主筆のバカタール加藤が、"気になる人"に"気になること"を聞きにいくという、本誌巻末コーナーのバックナンバーをお届けします。更新は本誌掲載後、ゲストごとにまとめて掲載していきます。ファミWebでしか読めないバカタール加藤の編集後記と併せてお楽しみください!

鈴木史朗
'38年京都府生まれ。早稲田大学を経てTBSに入社。'98年の定年退社後はフリーアナウンサーとして幅広く活躍中。性別、年代を問わず支持を得ている。

鈴木史朗と『バイオハザード』

加藤 鈴木史朗さんと言えば『バイオハザード』(※1)という印象がありますが、まずは、ビデオゲームとの出会いから教えてください。
鈴木 最初はたまたま遊んだ『インベーダー』なのですが、本格的に始めたのはファミコンから。娘にあげたのですが、自分で遊んでみるとなかなかおもしろい。それが30代後半のころ。夜勤明けに自宅に帰って、ちょっとのつもりがハマったりして。最初は『マリオブラザーズ』だったんですけれども。
加藤 まさにゲームの歴史を歩まれていらっしゃいますね(笑)。
鈴木 そうかもしれません(笑)。そのあとは『スーパーマリオブラザーズ』で、これは"裏面("今週のこぼれ話参照)までクリアーしました。おもしろかったですね〜。それから『グラディウス』にハマり、『パロディウス』も遊んだ。僕は、アクションやシューティングが好きなんです。
加藤 ……いや、聞いていて圧倒されます。本当にゲームがお好きで、ずっと遊ばれているんですね。
鈴木 はい。ほかにもいろいろと遊んでいたのですが、あるとき、運命的な出会いがあったんです。
加藤 そのゲームが……。
鈴木 『バイオ ハザード』です。これは、僕が好きな"美の世界"を表現しているゲームだったんですね。"美しくて怖くて、どこか気持ち悪い"という。とにかく、それまでのゲームにはない世界でした。あと、ジル・バレンタイン(主人公のひとり)に惚れまして。だから僕は、ずっとジルでプレイしていました。やり込みましたねぇ。でも、続編の『2』と『3』はちょっと僕には合わなかった。そのときは「もう遊ばなくてもいいかな」と思ったんです。
加藤 ほほ〜。
鈴木 そう思っていたんですが、娘夫婦が『4』をプレゼントしてくれたんですよ。「このゲーム、好きでしょう」って。もらってしまったら、遊ばないわけにはいかない。それで触ってみたら、キレイだったんです。ヨーロッパの山村の風景だったり、登場する人物だったり。お城の中に入ると細部までしっかり作られていて、異形の敵と戦いながらも楽しい。気づくとハマっていました。世界観がしっかりしていて、美しくて、遊んでいると楽しくて。ですから、いまだに『4』から離れられないんです。
加藤 最新作の『5』は?
鈴木 Xbox 360版をやっているのですが、歳をとっているせいか、操作がなかなかうまくできないんです(苦笑)。指の関節がダメなんですね。個人的に、Wiiで発売してほしいと密かに思ってます(笑)。
加藤 なるほど(笑)。あ、いま遊ばれている『4』はWii版ですか?
鈴木 そうですそうです。Wii版は、ライフルを除くと操作さ がすごく簡単なんですよ。あの強敵ジャック・クラウザーもナイフで直感的に倒せちゃう。PROFESSIONALモードまでクリアーしていますから。
加藤 それがすごいですよ(笑)。
鈴木 自分ではよくわからないんですけどね。それで、本編ではやることがなくなってしまったので、THE MERCENARIES(※2)にハマったんです。このモードは終わりがない。少しでもスコアを高めようという自分との戦いですから。
加藤 鈴木さんは根っからのゲーマーで、それだけでなく、ふだんからゲームの魅力を堂々と語ってくれる。心から感心しています。
鈴木 ゲームは、何かあるたびに悪く言われがちです。でも、悪いわけがない。むしろ魅力に溢れています。大事なことは、ゲームとどのように向き合うか。僕にとってゲームは、自分を高めてくれるものです。『バイオハザード4』をプレイしたことで根性もつきました。人間がふつうは使用しない脳の機能も使ってくれる、ツールのような気もしています。
加藤 確かに、ゲームだから得られる独特のプレイ感覚はあります。
鈴木 そうなんです。私が言うのも心苦しいのですが、マスメディア、とくにテレビは大いに反省すべきだと思います。多角的な深い検証や取材がないまま、流れの中でゲームを批判することが多い。ゲームファンの99.99パーセントは、ふつうに生活している。当たり前のことです。それなのに、そうではない人が何か罪を犯したとき、ゲームをしているだけでゲームが悪者になる。そのような浅い報道がいいわけがないですよね。
加藤 本当にそう思います。
鈴木 ゲームはいいものです。楽しく遊ぶものですが、自分を鍛えるためのツールにもなる。ゲームとしっかりつき合いさえすれば、何も問題は起こりませんよ。
加藤 心強いお言葉、ありがとうございます!!
※1 鈴木史朗さんと言えば『バイオハザード』……テレビなどでも公言しているとおり、鈴木氏は『バイオ』ファンとして有名。ゲームファンの支持も集めている。
※2 THE MERCENARIES……本編クリアー後に遊べる隠しモード。鈴木氏の現スコアは12万点オーバーだとか(スゴい!)。
『スーパーマリオブラザーズ』の裏面(ワールド8-4クリアー後に出現する難度の高いステージ)や『バイオハザード4』のTHE MERCENARIESなど、鈴木史朗氏はじつは"やり込み"ゲーマー。ただ、ご本人に自覚はないようで、いたってクールに「いや、ふつうのことです」とのご返答。そこがまたかっこいいのです。